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「重要なのは“考えさせる”こと」…清水隆一さんが『プレイヤーズファースト』に込めた想い

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清水隆一さん

『プレイヤーズファースト』を生み出す指導


 FROMONE SPORTS ACADEMYとアスラボがタッグを組んで行われる指導者向けイベント「『プレイヤーズファースト』を生み出す指導とは? 選手目線の指導を考える指導者向けセミナー」が11月27日(火)に開催決定。

 今回はそのイベントに先駆けて、『プレイヤーズファースト』という選手目線の指導を提唱している清水隆一コーチングカレッジ株式会社代表・清水隆一さんにインタビューを行い、自身の考える指導法について熱く語ってもらった。


【前編】清水隆一さんに聞く『プレイヤーズファースト』の指導法のルーツ


「押し付け型の指導、やらされ練習に疑問」



―― 今回は対談形式でのセミナーということになりますが、ふだんはどういった活動をなさっているのでしょうか。

ビジネスとしては「ビジネスコーチング」ということで、
企業の中間管理職の方々が身につけようとしているマネージメントの手法ですね。
部下の目標を聞くこと、動機付けから達成に向けたヒントを授ける、
本人の目標達成をサポートする多面の「コーチング」の研修がひとつ。
また、中小企業の社長さん向けに“実現したいと思っている企業像”へ向けたサポートなどもあります。


スポーツ界との関わりとしては、
JOC(日本オリンピック委員会)の委員ですとか、
日本スポーツ協会の公認講師などでボランティア的に携わりつつ、
秋田県では高校生向けの「高校野球強化プロジェクト」に参加していたり、
岩手県では中学生に向けた「Kボール」(軟式と硬式をつなぐ架け橋になるボール)の普及や、
硬式野球への扉を開くための活動なんかも行っています。
野球はずっとやってきて大好きなので、恩返しの意味が大きいですかね。




―― 指導者になったキッカケは?

もともとプロ野球選手を目指して高校・大学とやってきて、
社会人・熊谷組に入る時に
「2年で声がかからなければプロへの道は諦める」
という気持ちがあった。
アマチュア球界で一流の選手になって指導者になれたらと。


選手を引退して2年は職場の方に入って、
それから監督という形で再び現場へ。
指導者歴というとそこがスタートになります。




―― 現在の『プレイヤーズファースト』の考えは当時から?

もう当時から変わらず、ずっと抱いていたものでした。
プレーしていた頃から押し付け型の指導、やらされ練習に疑問を感じていて、
一旦野球から離れた期間に客観的に見ることができて、
そうした想いはより強くなっていました。




―― そう思ったキッカケのような出来事などはありますか?

僕が早稲田大学でキャプテンをやっていた時、東大に4回負けてるんです。
当時のチームの体質というのが、上から言われたことをなんでもやる。
いわゆる“イエスマン”の集団だった。
傍から見たらものすごい経歴の選手の集まりなのに勝てない。
するとまた様々なことを押し付けられて、やる気が失われていく。
その繰り返しになってしまうんですよね。


その時、「こいつらを自由にやらせたらどんな結果になるだろう」という思いがあって。
みんな野球が好きなはずなのに、勝利を目指してやっているはずなのに、
どこかで気持ちのズレが生まれてしまう。
野球をするのが嫌になってしまう。
こうしたことをなくしたいと強く思いました。




勝利はあくまでも「目標」



――― 「勝利」という同じ方向を向いているはずなのに、ズレが生じてしまうと。

僕はよく「勝利は目標です」と言います。
もちろん、やるからにはみんなで勝利を目指して戦います。
でも、大事にしなければいけないのは勝利を得るためになにをするかなんですね。


例えば、今の小学生なんかだと、ボール球を振ったら監督に怒鳴られる。
「振らなければ四球だっただろ」って。
勝つのが目的となってしまった指導者がそれを押し付けることで、
子どもたちの成長を阻害してしまうんです。


すると、そうした子どもたちっていうのは際どいところのボールに手が出ない。
「打撃が弱い」というチームが抱える大きな問題がそこだったりします。
勝つために四球を選ぶという考えが染み付いてしまって、
自分が打てるボールを制限してしまっているんです。
そうなったらなかなかバットは出てきませんし、ここ一番で打つことは難しい。
多少ボール球であっても、自分が打てると思ったところは打ちに行くべきなんですよ。
ただ、それまで振ってこなければ、チャレンジしてこなければ、
どこが自分の打てるボールなのかが分からない。自信が持てない。
それではプレーの小さな選手になってしまいがちです。
チャレンジする機会を奪ってはいけないんです。




――― 試合に出たいと思うと、監督の言うことは絶対という考えになりがちですよね。

指導者の方によく言うんですが、「選手の邪魔だけはしないでください」と。
僕は野球は究極の個人技だと思っていて、
打席で監督からの指示を常に待っているようではダメなんです。
「監督、助けてください」って見たところで打てるようになんかならないし、
最後は自分の力で何かを起こさなければならない。
自立した選手を育てることが大事なんですよね。


ところが、指導というと“教える”というイメージが強い。
重要なのは“考えさせる”ことなのに。
野球だけでなく、その人の思考のレベルを上げるような練習をすること。
プレイヤーにやってみたいと思わせるような練習をすることで、
各々が考えてもっと良い方法を考える。
やらされる練習っていうのは本当に無駄なんです。



選手たちが自分たちで考えて努力するようになると、
目標を超えるような力が発揮できるようになったり、
たとえ結果が伴わなかったとしても、
選手たちにとっては大きな財産となります。
選手としていまを全力で戦うことも大事ですが、
人間としての成長を促してあげられるような手助けを。
それができるのが良い指導者だと思いますね。






▼ イベント詳細はコチラ





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