「プロ野球生活の中で一番悔しいシーズン」
11月14日に都内で行われたアディダス「ALPHAEDGE 4D」の新商品発表会に楽天の則本昂大投手が登場。イベント終了後、今季の反省と来季への意気込みを語った。
「プロ野球生活の中で一番悔しいシーズン。ふがいない成績だった」と1年を振り返った右腕。今季は27試合に登板して10勝11敗、防御率は3.69という成績だった。
プロ入りから6年連続の2ケタ勝利をマークし、187奪三振で5年連続となる最多奪三振のタイトルを獲得。防御率はキャリアワーストだったとはいえ、タイトルを獲得しても本人は納得できない様子。「このふがいない成績を忘れないようにして、来シーズンはチームのみんな、ファンのみなさんと最高のシーズンにしたいです」と意気込みを語った。
日米野球は「あまり見ていないです」
今回はイベント終了後に少し時間をいただき、インタビューを受けてもらうことに。「悔しかった」と語った今季の振り返りから、インタビュー当時に開催していた『2018 日米野球』に絡めて日本代表への想い、そして2020年に迫った東京五輪への想いを伺った。
―― (インタビュー当時は)日米野球が開催中ですが
岸(孝之)さんのピッチングは見ましたけど…
それ以外はあまり見ていないですね。
―― 『自分がそこにいたら…』なんてことは?
今年はそんなに良い成績を残せなかったので…。
―― とはいえ、6年連続の2ケタ勝利や5年連続奪三振王など、結果も残しています。
良いときもありましたけど、大半はうまくいかなかったときの方が多かった。
不完全燃焼なシーズンだったと思います。
―― これまでのシーズンと違って、噛み合わなかった部分が?
今年はキャンプやオープン戦から体調面とか、色々なところが万全ではなかった。
思い通りいかなかったですね。
―― これから変えていこうと考えていることは?
やるべきことは見えてきたので、それを実践するだけ。
そんなに大きく変えることは今のところないですけど、“再現性”を高めるということですね。
―― 自分の良い部分を多く出せるように?
そうですね。
自分のやるべきことがある程度できれば、一定の成績は残せると思うので。
そこから上に持っていくことが大変ですけど、まずは自分のやるべきことをできるように。
「一生……、孫の代までないかもしれない」チャンス
―― 改めて日本代表についても聞かせてください。2020年には東京五輪が開催されます。
出たいです。
母国でオリンピックが開催されること自体なかなかない。
前回が60年くらい前のことなので。
その年に自分がプレーしている競技が正式種目で、しかも自分が現役でいられる。
それって、一生……、孫の代までないかもしれない(笑)
そのチャンスはつかみたいと思うし、すぐに名前が挙がるような選手でいたい。
―― 国際舞台はやっぱり違いますか?
チームとは求められるものが違うというか。
チームでは143試合戦って一番上にいたチームが優勝する。
『今日負けても明日勝てばいい』という考え方もできる。
でも、国際大会では1敗、1点が命取りになる。
野球はそこまで得失点勝負になることはないけど、サッカーでは負けても0-1と0-2では全然違うじゃないですか。
その重みの違いは野球でも感じますね。
―― 則本選手はロングリリーフを任されたり、もちろん先発もやるし、クローザーとして登板することも。
そうですね。
そういうこともチームでやっていることとは違いますけど、そこを任されることはすごくありがたいことだと思う。
代表に入れるのは、数百人のプロ野球選手の中の28名なので、『僕は先発なので抑えはできません』なんて言ってるようじゃ代表に入る資格はない。
役割が与えられるだけ幸せだと思うので。
そこで結果を出せなかった自分は情けなかったですけど、良い経験だったと思うし、その経験がこの先活きると思う。
次の代表に選ばれて、仕事があればどこでも投げたい。
取材=ベースボールキング編集部(かとう・さとし)