◆ 「プロ野球生活の中で一番悔しいシーズン」
11月14日に都内で行われたアディダス「ALPHAEDGE 4D」の新商品発表会に楽天の則本昂大投手が登場。イベント終了後、今季の反省と来季への意気込みを語った。
「プロ野球生活の中で一番悔しいシーズン。ふがいない成績だった」と1年を振り返った右腕。今季は27試合に登板して10勝11敗、防御率は3.69という成績だった。
プロ入りから6年連続の2ケタ勝利をマークし、187奪三振で5年連続となる最多奪三振のタイトルを獲得。防御率はキャリアワーストだったとはいえ、タイトルを獲得しても本人は納得できない様子。「このふがいない成績を忘れないようにして、来シーズンはチームのみんな、ファンのみなさんと最高のシーズンにしたいです」と意気込みを語った。
◆ 日米野球は「あまり見ていないです」
今回はイベント終了後に少し時間をいただき、インタビューを受けてもらうことに。「悔しかった」と語った今季の振り返りから、インタビュー当時に開催していた『2018 日米野球』に絡めて日本代表への想い、そして2020年に迫った東京五輪への想いを伺った。

―― (インタビュー当時は)日米野球が開催中ですが
岸(孝之)さんのピッチングは見ましたけど…
それ以外はあまり見ていないですね。
―― 『自分がそこにいたら…』なんてことは?
今年はそんなに良い成績を残せなかったので…。
―― とはいえ、6年連続の2ケタ勝利や5年連続奪三振王など、結果も残しています。
良いときもありましたけど、大半はうまくいかなかったときの方が多かった。
不完全燃焼なシーズンだったと思います。
―― これまでのシーズンと違って、噛み合わなかった部分が?
今年はキャンプやオープン戦から体調面とか、色々なところが万全ではなかった。
思い通りいかなかったですね。
―― これから変えていこうと考えていることは?
やるべきことは見えてきたので、それを実践するだけ。
そんなに大きく変えることは今のところないですけど、“再現性”を高めるということですね。
―― 自分の良い部分を多く出せるように?
そうですね。
自分のやるべきことがある程度できれば、一定の成績は残せると思うので。
そこから上に持っていくことが大変ですけど、まずは自分のやるべきことをできるように。
◆ 「一生……、孫の代までないかもしれない」チャンス

―― 改めて日本代表についても聞かせてください。2020年には東京五輪が開催されます。
出たいです。
母国でオリンピックが開催されること自体なかなかない。
前回が60年くらい前のことなので。
その年に自分がプレーしている競技が正式種目で、しかも自分が現役でいられる。
それって、一生……、孫の代までないかもしれない(笑)
そのチャンスはつかみたいと思うし、すぐに名前が挙がるような選手でいたい。
―― 国際舞台はやっぱり違いますか?
チームとは求められるものが違うというか。
チームでは143試合戦って一番上にいたチームが優勝する。
『今日負けても明日勝てばいい』という考え方もできる。
でも、国際大会では1敗、1点が命取りになる。
野球はそこまで得失点勝負になることはないけど、サッカーでは負けても0-1と0-2では全然違うじゃないですか。
その重みの違いは野球でも感じますね。
―― 則本選手はロングリリーフを任されたり、もちろん先発もやるし、クローザーとして登板することも。
そうですね。
そういうこともチームでやっていることとは違いますけど、そこを任されることはすごくありがたいことだと思う。
代表に入れるのは、数百人のプロ野球選手の中の28名なので、『僕は先発なので抑えはできません』なんて言ってるようじゃ代表に入る資格はない。
役割が与えられるだけ幸せだと思うので。
そこで結果を出せなかった自分は情けなかったですけど、良い経験だったと思うし、その経験がこの先活きると思う。
次の代表に選ばれて、仕事があればどこでも投げたい。
取材=ベースボールキング編集部(かとう・さとし)