◆ 「終わってみたら良いシーズン」
エンゼルスの大谷翔平選手(24)は22日に帰国会見を開き、激動のメジャー1年目を振り返った。
ちょうど1年前にメジャー挑戦を表明した場所・日本記者クラブに帰ってきた大谷。今回の会見は「シーズン中から多数の取材依頼や要望をいただいていたんですけど、シーズン1年目ということもあって集中したいということから、なかなかお答えする機会がなかった」ということで、「今日はシーズンのことや術後の経過など、お答えできることがあればお答えしたい」という想いから開催が実現した。
まずはこの1年を振り返って「すごく充実した、楽しい日々を送ることができました」と大谷。「終わってみたら良いシーズンだったなと思えるシーズン。来年の課題も含めて、充実していました」とメジャー1年目を終えた今の手応えを語る。
また、トミー・ジョン手術を行った右肘については、「メスを入れることに抵抗はありました。入れないに越したことはないかなと。ただ、長期的に見た時に、健康な状態で不安なくマウンド上で自分のパフォーマンスを出すことが一番。そのためには必要なことかなと思って」と手術に踏み切った経緯を明かし、「経過は順調です。約2カ月弱経って、日常生活に関しても特に不自由なく過ごすことができていますし、最初の1カ月くらいは右手が思うように使えず苦労することもありましたけど、今はやってよかったと思いますね」と現状と自身の率直な気持ちを口にした。
◆ 「行ってみないと分からないことが多かった」
最終的には新人王に輝くまでの大活躍を見せた大谷だったが、春先のオープン戦では思うようなプレーができずに苦しむシーンというのも見られた。その時、アドバイスを求めたのがマリナーズのイチロー選手だったという。
「アリゾナのキャンプの時ですね。なかなか思い通りに行かない中、一番経験されてきた人にお話を伺いたいなと思って、お話する機会を頂きました。その中で気持ち的にも、技術的にも進歩した状態でシーズンに向かうことができましたし、非常に勉強になった時間でした」とその時のやり取りを振り返る。
また、メジャーリーグという舞台を経験してみて、「全てが違うなと。行ってみないと分からないことが多かった」と大谷。「どのくらいの差があるのかなと思っていましたけど、野球自体、文化も含めて全然違いました。パワーだけでなく、技術もスピードも総合的に高いなということを改めて感じました」とし、「小さい頃からテレビなどでは見ていましたけど、実際にグラウンドに立ってプレーしてみると感じることが多かった。そういった面白さを伝えられるように頑張るのが僕の仕事かな、と思いました」と語った。
そんな舞台で、最終的にはア・リーグ新人王を受賞。故障で離脱していた期間もあったが、やはり“二刀流”が残したインパクトは大きかった。受賞については「率直に嬉しかった。最終候補の3人に残れただけでも嬉しかったので。いろいろな方に祝福もしていただけて、皆さんに感謝です」と語り、お祝いのメッセージの内容について、「差し支えなければ…」という記者の問いには「差し支えあります(笑)すみません」と笑った。