◆ 低調だった打線に打点王が加入!
楽天は1日、FA権を行使し、西武から移籍した浅村栄斗内野手の入団会見を行った。
浅村は今シーズン打率.310、32本塁打、127打点をマーク。打点王に輝き、西武を10年ぶりのリーグ優勝へ導いた。移籍を決断するまでは「約1カ月間、本当に悩みました」と話していたが、この日は終始、和やかな表情。新天地での意気込みを問われると「楽天のために優勝を目指して頑張ります。来たからにはキャリアハイを目指して頑張りたい。これまで通り、打点は意識してやりたい」と意気込んだ。
楽天は今季、58勝82敗3分けで最下位に沈んだ。チーム防御率はリーグ3位の3.78を記録したものの、チーム打率.241、総得点520はいずれもリーグワースト。ただ低調な打線の中にも、大卒2年目の田中和基が新人王を獲得、期待の和製大砲・内田靖人は12本塁打を放つなど、明るい材料もあった。
◆ 安定した出塁率、新シーズンは浅村の前が適任!?
若手の台頭に隠れがちだが、中堅の域に入った島内宏明も好成績を残した。4月中旬に右わき腹を痛め約2カ月も戦列を離れたが、復帰後は低調だった攻撃陣をけん引。平石洋介監督代行が就任したあとは3番に固定され、1番・田中、2番・茂木栄五郎と続く打順は、“タナモギアイランド”と称され機能した。
前半戦の長期離脱がありながら、全試合出場の17年に続き、2年連続で規定打席に到達。リーグ8位の打率.292をマークするなど、出塁率.373、11本塁打、53打点、11盗塁の成績を残した。注目したいのは出塁率。惜しくも規定打席に届かなかった16年の.349以降、17年の.352、そして今季の.373と、3シーズン連続で安定した数字を残している。
本塁打は17年の14本を下回る11本だったものの、今季も非凡なパンチ力を披露。球団生え抜き選手として初となる、2年連続の2ケタ本塁打を記録した。長打率は前年よりアップし、OPS(出塁率+長打率)は.805をマーク。これは規定打席到達者でチームトップの数字だ。
来シーズン浅村が西武時代のように3番に座れば、島内は新たな打順を託されることになる。前述の出塁率とOPSを考慮すれば、上位に置き、より多く打席に立たせたい存在。そうすれば打点にこだわる浅村が、より活きるかもしれない。
楽しみな若手が多い楽天だが、田中や内田はまだ1年のみの結果にすぎず、茂木は故障に泣くシーズンが続いている。ドラフト1位で加入した辰己涼介など、新人も未知数。だからこそ、安定感が備わった島内にかかる期待は大きい。