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球団を背負って立つ期待も…意外とチームに残らない“新人王”

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日本ハムの高梨裕稔

「日本ハム」では金子誠だけ


 11日朝、飛び込んできた衝撃のニュース。日本ハムとヤクルトのトレードが成立し、高梨裕稔と太田賢吾がヤクルトへ、秋吉亮と谷内亮太が日本ハムへ移籍することが決まった。

 特に日本ハムが放出した高梨と言えば2016年のパ・リーグ新人王であり、日本ハムの大逆転優勝・日本一に大きく貢献した投手。まだ27歳と若く、新人王を受賞してから2年後にトレードで移籍というのはファンも驚きだったことだろう。


 そこで、過去の日本ハムの新人王受賞者を調べてみると、ふと気がついた。そのほとんどが後に他球団へと移籍しているということに。

 そもそも入団した球団一筋でキャリアを終えていくという選手自体が稀なのだが、『日本ハム』の選手として新人王を受賞した8名のうち、日本ハム一筋でユニフォームを脱いだのは金子誠ただ一人。高梨の移籍により、有原が2人目になるかどうか…というのが現状だ。


【新人王を獲得した日本ハムの選手たち】
▼ 1980年
木田 勇(投手/1979年ドラフト1位)
[成績] 40試(253.0回) 22勝8敗4セーブ 防2.28
└ 日本ハム(1980~1985)
└ 横浜大洋(1986~1989)
└ 中日(1990)

▼ 1983年
二村忠美(外野手/1982年ドラフト3位)
[成績] 97試 率.282(294-83) 本13 点35
└ 日本ハム(1983~1989)
└ 横浜大洋(1990~1992)
└ 日本ハム(1993)

▼ 1996年
金子 誠(内野手/1993年ドラフト3位)
[成績] 117試 率.261(395-103) 本4 点33
└ 日本ハム(1994~2014)

▼ 2002年
正田 樹(投手/1999年ドラフト1位)
[成績] 23試(156.2回) 9勝11敗 防3.45
└ 日本ハム(2000~2006)
└ 阪神(2007~2008)
└ 興農(2009~2010) ※台湾リーグ
└ 新潟(2011) ※独立リーグ
└ ヤクルト(2012~2013)
└ Lamigo(2014) ※台湾リーグ
└ 愛媛(2014年~) ※独立リーグ

▼ 2006年
八木智哉(投手/2005年希望枠)
[成績] 26試(170.2回) 12勝8敗 防2.48
└ 日本ハム(2006~2012)
└ オリックス(2013~2014)
└ 中日(2015~2017)

▼ 2010年
榊原 諒(投手/2008年ドラフト2位)
[成績] 39試(72.0回) 10勝1敗6ホールド 防2.63
└ 日本ハム(2009~2013)
└ オリックス(2014~2015)

▼ 2015年
有原航平(投手/2014年ドラフト1位)
[成績] 18試(103.1回) 8勝6敗 防4.79
└ 日本ハム(2015~)

▼ 2016年
高梨裕稔(投手/2013年ドラフト4位)
[成績] 37試(109.2回) 10勝2敗 防2.38
└ 日本ハム(2014~2018)
└ ヤクルト(2019~)


※東映時代も含めると…?

▼ 1959年
張本 勲(外野手)
[成績] 125試 率.275(418-115) 本13 点57
└ 東映・日拓・日本ハム(1959~1975)
└ 巨人(1976~1979)
└ ロッテ(1980~1981)

▼ 1962年
尾崎行雄(投手)
[成績] 49試(207.2回) 20勝9敗 防2.42
└ 東映・日拓(1962~1973)

▼ 1967年
高橋善正(投手/1966年二次ドラフト1位)
[成績] 45試(226.2回) 15勝11敗 防2.46
└ 東映(1967~1972)
└ 巨人(1973~1977)
※1975年からの登録名は「高橋良昌」

▼ 1971年
皆川康夫(投手/1970年ドラフト5位)
[成績] 46試(230.1回) 11勝14敗 防3.44
└ 東映・日拓・日本ハム(1971~1976)
└ 広島(1977~1979)


 ちなみに、前身の「東映」次代を振り返ってみても、4人の新人王受賞者のうち、移籍せずにキャリアを終えたのは尾崎行雄だけ。合わせて12分の2、という結果になった。


キレイに半分!


 上述した通り、「入団したチーム一筋で走り抜くという選手自体がそもそも少ない」ということもあるだろう。そこで今度は平成(1989年)以降のセ・パ両リーグの新人王に注目。合わせて59名になる新人王受賞者を「移籍あり」「移籍なし」で分けてみた。

 なお、今回は“チーム一筋か否か”でカウント。FAやトレード、戦力外からの再契約などの事情は関係なく、新人王受賞当時の球団でキャリアを終えた選手を「移籍なし」、海外移籍も含めて一度でもチームを離れた選手は「移籍あり」と分類した。結果は以下の通り。


【平成の新人王・比較】
※セ・リーグ30名/パ・リーグ29名(該当者なし:1)

▼ 移籍あり
高梨裕稔(日本ハム/2016)
牧田和久(西武/2011)
榊原 諒(日本ハム/2010)

田中将大(楽天/2007)
上園啓史(阪神/2007)
八木智哉(日本ハム/2006)
久保康友(ロッテ/2005)
青木宣親(ヤクルト/2005)
三瀬幸司(ダイエー/2004)
川島 亮(ヤクルト/2004)
和田 毅(ダイエー/2003)
木佐貫洋(巨人/2003)
正田 樹(日本ハム/2002)
金城龍彦(横浜/2000)

松坂大輔(西武/1999)
上原浩治(巨人/1999)
小関竜也(西武/1998)
川上憲伸(中日/1998)
小坂 誠(ロッテ/1997)
仁志敏久(巨人/1996)
平井正史(オリックス/1995)
藪 恵市(阪神/1994)
杉山賢人(西武/1993)
高村 祐(近鉄/1992)
久慈照嘉(阪神/1992)
長谷川滋利(オリックス/1991)
野茂英雄(近鉄/1990)
与田 剛(中日/1990)
笘篠賢治(ヤクルト/1989)
=====
29名


▼ 移籍なし
田中和基(楽天/2018)
東 克樹(DeNA/2018)
源田壮亮(西武/2017)
京田陽太(中日/2017)
高山 俊(阪神/2016)
有原航平(日本ハム/2015)
山崎康晃(DeNA/2015)
石川 歩(ロッテ/2014)
大瀬良大地(広島/2014)
則本昂大(楽天/2013)
小川泰弘(ヤクルト/2013)
益田直也(ロッテ/2012)
野村祐輔(広島/2012)
沢村拓一(巨人/2011)
長野久義(巨人/2010)

摂津 正(ソフトバンク/2009)
松本哲也(巨人/2009)
小松 聖(オリックス/2008)
山口鉄也(巨人/2008)
梵 英心(広島/2006)
石川雅規(ヤクルト/2002)
大久保勝信(オリックス/2001)
赤星憲広(阪神/2001)

沢崎俊和(広島/1997)
金子 誠(日本ハム/1995)
山内泰幸(広島/1995)
渡辺秀一(ダイエー/1994)
伊藤智仁(ヤクルト/1993)
森田幸一(中日/1991)
酒井 勉(オリックス/1989)
=====
30名

~~~
※登録名・所属は受賞当時のもの
※「―」は年代ごと(89~99/00~09/10~)の区切り
~~~


 平成になってからの新人王はセ・リーグが30名、2000年に「該当者なし」があったパ・リーグが29名の計59名となったなか、「移籍あり/なし」の区切りも見事に「29:30」と割れた。

 しかし、年代ごとの区切りを見ても「移籍なし」の30名のうち15名は2010年以降の受賞者たちで構成されており、数年後・数十年後に振り返ると多数派が変わっている可能性は十分にある。


 “移籍”とひと括りにしても、その事情は選手によってさまざま。新人王を受賞して順調にスターダムを駆け上がっていった選手もいれば、新人王を受賞しながら伸び悩んだ選手もいるからだ。そのなかでも共通の要因として考えられるのは、『欲しがられる確率が高い』ということではないか。

 新人王を受賞したということは、少なくとも一度はプロの世界で結果を残したことがある選手であるということ。その箔がついているだけに、直近の成績を落としてしまっていても「環境を変えれば…」ということでトレードの注目株になりやすかったり、戦力外になったとしても他球団は「1年だけでも様子を見てみようか」というように、つい手を伸ばしたくなる。そのため、そのまま引退というケースが少なくなっているのではないだろうか。


 高梨は新天地でかつての輝きを取り戻すことができるか。そして、近年の新人王受賞者のうち何人が受賞した球団一筋でキャリアを終えていくのか。今後も注目したい。



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