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聞きにくい契約更改のハナシを里崎智也さんに聞いてみた・その2

無断転載禁止
[写真=兼子愼一郎]



 “野球とお金”をテーマに展開してきた「グラゼニ特集」
今回は里崎智也氏のスペシャルインタビュー・第2弾。
もっと踏み込んだお金の話から、“FA観”についても聞いてみました。





「頑張ったから」アップ!?


 先日の放送で最終回を迎えたアニメ「グラゼニ シーズン2」。なかでも見どころのひとつとなっていた“契約更改”について、当事者しか知りえないウラ側を聞いてみようというインタビュー企画の第2弾。

 【第1弾】に引き続き、今回もプロ野球OB・里崎智也さんに契約更改のエピソードや、今オフも大きな話題を呼んだFA移籍に関するお話も伺った。



―― 金額の交渉はしたことがないとおっしゃっていましたが、不満に思うことがなかったということですか?

里崎:そうですね。僕の場合は「自分を厳しく見積もった時のライン」と「自分を甘やかして見た時のライン」を決めて、それを頭に入れて交渉に行っていたので、提示がその間に入っていれば一発サインです。


―― そのライン設定が正確だったということですね。

里崎:想定のラインから外れたことは1回しかなかったですね。それも上回った方で。いつも「妥当やな」と思っていました。


―― なにかアピールをしてアップを勝ち取ったこととかは…?

里崎:1回だけありましたね。WBCで優勝した時に、先に交渉した俊ちゃん(渡辺俊介)が「頑張ったなって500万円もらった」とか言っていたので、「いや俺が一番頑張りましたよ」と言ったら上がった(笑)


―― そんなこともあるんですね(笑)

里崎:だからやっぱり、評価は“どんぶり勘定”ですよ。


―― ダウン時の交渉も聞こうと思いましたが、里崎さんは大幅ダウンもないまま引退していますよね。

里崎:そうですね。辞める時もすんなり、でした。


―― 余力を残しての引退だったと思いますが、現役に未練などはなかったのでしょうか。

里崎:ユニフォーム着ている時間よりも、ユニフォーム脱いでからの“第2の人生”の方が長いですからね。男性の平均寿命が約80年と言われていますけど、そう考えるとリスタートが遅くなればなるほどが“第2の人生”の成功確率は低くなるわけで。ケガもありましたが、自分の思い通りのプレーが出来なくなってまでプレーするよりは、早くリスタートを切りたいと思っていました。周りの方に「まだ出来たんじゃないの?」と言われる中で引退できたのは幸せです。


“野球以外の部分”の評価


―― グラウンド外の働きって、年俸に加味されるものなのでしょうか。

里崎:ほぼないでしょうね。見えないところでやっている人もいるわけで、そんな部分を盛り込むのってどうなのかなと。あるとしても、メディア受けするように球団がそういう名目を付けて言っただけとか、そんな気がしますけど。


―― 里崎さんはかなりファンサービスやイベントに積極的だった印象があります。

里崎:「ファンサービス査定」って耳にはしますけど、反映されたことはなかったですねぇ。


―― ほかにも、ベンチの雰囲気づくりとかもよく聞きます。

里崎:ファンサービスと同じですけど、見えないところでやっている選手もいますからね。その辺を正確にジャッジできないのに、査定ポイントにはできないですよね。やっぱり後付けですよ。


―― 今年はその部分に関して「保留」が出たりも…。

里崎:それは選手側が言ったんですよね?それしか言うことがなかったということでしょ。上がったんですか?


―― 変わりませんでした。

里崎:まぁ、それはそうですよね。自称ですから。評価は第三者がするものですし、言っても響きませんよね。だって車屋さんでも、「僕ね、今年車1台も売れてませんけど、ショールームの雰囲気作りは常に全力だったんですよ」って言って、ボーナス上がらないでしょ(笑)


―― それはそうですね(笑)

里崎:何もない時ほど、情に訴えかけるしかなくなるんですよね。自分からそれを言っても、突っぱねられて終わりです。


「評価は“お金”」



―― 時期的にFAのことについてもお聞きしたいのですが、里崎さんは行使を考えたことは?

里崎:僕はロッテでもらっている給料に不満がなかったですからね。


―― よくある「評価を聞いてみたい」という感情も?

里崎:結局、評価って“お金”ですからね(笑)他所だったら自分にどれだけ払ってくれるかな、という。僕は金額的な不満はなかったので、その願望もなかったです。


―― 「野球人生、1チームだけで終わるのはもったいない」というような声もありますが、移籍したいと思ったこともなかったですか。

里崎:僕の場合、まず「面倒くさい」というのが…(笑)キャッチャーなので、新天地でそこの投手のことを理解して、関係を作ってというのをイチからやらないといけない。ほかのポジションだったら考えなくてもいいでしょうけど、軽く移籍しようとか考えられないですよね。


―― たしかに、仕事量は多いですね。

里崎:あとは金額だけでなく、楽しくやれるかどうかということ。例えばですけど、ソフトバンクに行って優勝して泣けるかな…とか(笑)ロッテで優勝したら泣けると思うんですよ。そういった意味でやりがいもあって、金額面も不満がない。引退後のこととかも考えてみて、総合的に見たら残った方が良いですよね。


―― 移籍で評価を下げてしまうリスクもありますよね。

里崎:目先のお金に飛びついて後悔する人もたくさんいますからね。今振り返ってみても、残っていて良かったなと思いますし。隣の芝生は青く見えるんですよ。


―― 最近は移籍に対するファンの反応も過敏になってきています。

里崎:ファンの人の気持ちも分からなくもないですが、あまりにも心無い言葉とかが出てしまうのはね。自分事として考えてみてほしいんですけど、皆さんも仕事でヘッドハンティングされて、相手は誰もが知る一流企業で、給料は倍です。待遇も良くなります。これで断る人いますかね?(笑)


―― たしかに…(笑)選手側から見た、味方選手のFA移籍ってどんな気持ちなんですか?

里崎:いや、なんとも思わないですよ(笑)僕があまり他人に興味ないっていうのはあるかもしれませんけど、チームのことを考えるのは監督であり、編成ですからね。僕はただの選手なので。来る者は拒まず、去る者は追わず、です。



取材・構成=尾崎直也(おざき・なおや)



「シーズン1」「シーズン2」全24話一挙放送決定!


アニメ化決定!の一報から話題となり、
落合福嗣さんのキャスティングが実写化か?!と騒がれ、
豪華ゲスト声優陣も注目された「グラゼニ」ですが、
ついに、12月21日(金)の第24話をもって最終回を迎えます。

「シーズン2からハマったので最初から見たい」
「ビートたけしさんの出演回を見逃した」
「全話録画したかった!」
そんな視聴者の皆様のアツいリクエストにお応えし、
なんと2019年の元日に「全24話一挙放送」が決定!
12時間ぶっ通しで「グラゼニ」を放送します!!


▼ 「グラゼニ」24話一挙放送・概要

<日時>
2019年1月1日(金・祝) 12:00~24:00(全24話)  

<チャンネル>
・BSスカパー!(BS241/プレミアムサービス579)
・スカパー! オンデマンド

<視聴方法>
スカパー! のいずれかのチャンネルまたはパック・セット等のご契約者は無料でご視聴いただけます。

<公式サイト>
https://www.bs-sptv.com/gurazeni/



アニメ『グラゼニ』




グラウンドには、銭が埋まっている…


プロ野球球団 神宮スパイダースに所属する左の中継ぎ、
サイドスロー投手の凡田夏之介(26歳/独身)は、
高卒8年目で年俸1800万円。
決して“一流投手”とは言えない待遇の選手である。

“30越えたらあと何年できるか分からない”
“引退してコーチや解説者になれる人はほんの一握り”
“引退後は年収100万円台の生活に陥ってしまう人もいる”
“プロ野球選手は現役のうちに稼がなければならない!”

そんな厳しい現実を見据えながらも
凡田はあるフレーズを繰り返していた…

「グラウンドには銭が埋まっている」

凡田は今日もマウンドに登る。
そう、「グラゼニ」を夢見て!



放送日時:毎週金曜・22時30分 ☆再放送多数
原作:森高夕次/漫画・アダチケイジ「グラゼニ」(講談社『モーニング』連載)
監督:渡辺 歩(「ドラえもん」「宇宙兄弟」監督)
シリーズ構成・脚本:高屋敷英夫(「めぞん一刻」「逆境無頼カイジ」シリーズ構成)
キャラクターデザイン:大貫健一(「MAJOR」「ガンダムビルドファイターズ」キャラクターデザイン)
音楽:多田彰文(「ポケットモンスター劇場版」「魔法使いプリキュア」ED主題歌)
音響監督:辻谷耕史(「昭和元禄落語心中」「シムーン」)
音響制作:Ai Addiction(「地獄少女 宵伽」「ノラガミ」)
アニメーション制作:スタジオディーン(「昭和元禄落語心中」「GIANT KILLING」「さんかれあ」)
チャンネル:BSスカパー!(BS241/プレミアムサービス579)・スカパー!オンデマンド

※視聴方法
スカパー!のチャンネルまたはパック・セット等のご契約者は無料でご視聴いただけます。
・公式サイト:https://www.bs-sptv.com/gurazeni/
・公式Twitter:@sptv_gurazeni
製作:スカパー!・講談社


▼ 原作「グラゼニ」とは…
週刊『モーニング』(講談社)にて2010年12月より連載中の漫画「グラゼニ」。
成果主義であるプロ野球を“夢を売る徹底した格差社会”として、
「カネ」をテーマにプロ野球のシビアな世界と生活を懸けたプロ野球選手の日常を描く作品です。

リアルな描写で野球界でのファンも多く、第37回講談社漫画賞を受賞。
その他、「このマンガがすごい!2012」ではオトコ編・第2位に、
「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」では8位にランクインするなど注目を集めました。




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