FA組だけじゃない!注目の自由契約組
春季キャンプもはじまり、いよいよ球春が到来。ここに来て史上最強クラスとも呼ばれる寒波の襲来によってそんな気配は遠のいてしまった感はあるが、着実に春は近づいている。
キャンプで注目を集める選手と言えば、各球団期待の新戦力だろう。今年はセ・リーグ2年連続MVPの丸佳浩が広島から巨人に移籍し、西武の10年ぶりのリーグ制覇に貢献した浅村栄斗は楽天へ移籍。ほかにも炭谷銀仁朗や西勇輝といった実力者たちの移籍もあって、戦力図の変化に注目が集まっている。
一方、このオフ注目を集めたのは“FA組”だけではなかった。所属球団を退団して他球団と契約を結んだ、いわゆる“自由契約組”だ。
オリックスから大物が2人
たとえば、かつてはリーグを代表するエースだったオリックスの金子千尋。度重なる故障もあって近年は成績が振るわず、推定6億円の年俸から減額制限超えの5億円ダウンという衝撃の提示が話題に。本人は「金額の問題ではない」と語っていたが、結局オリックスとの契約はまとまらずに日本ハムへ移籍することとなった。
昨季は4勝7敗とらしくない数字になったが、通算120勝(78敗)という実績は伊達じゃない。特に若い選手が多い日本ハムにおいて、経験豊富なベテランの加入は大きなプラスとなることだろう。
また、オリックスからはもう一人、中島宏之が自由契約を経て巨人へと移籍した。
こちらも減額制限を超える減俸提示を受け、自由契約となることを選択。巨人の新監督に就任した原辰徳監督からの熱烈なラブコールもあって、初めてセ・リーグに戦いの舞台を移す。
全盛期のようにフルシーズン元気な活躍は難しいかもしれないが、ここ一番の集中力はいまだ健在。昨季も序盤は調子が上がらなかったものの、6月以降に限れば55試合で打率.316とさすがの打棒を見せた。
この春も一軍キャンプに帯同しながら腰痛のため思うような動きができず、調整の遅れが心配されるものの、コンディションさえ整えばきっと戦力となることだろう。特に近年の巨人は代打の層の薄さが指摘されてきただけに、中島にかかる期待は大きい。
自由契約での退団から再び花を咲かせるパターンといえば、近年では阪神から広島に移った新井貴浩の大活躍が印象的だ。
かつては涙を流しながら広島を旅立った男だが、古巣に戻ったことで不振から脱却。2016年には主軸としてチームを引っ張り、25年ぶりのリーグ優勝に貢献。リーグ史上最年長でMVPに輝いた。
ほかにも、オリックスを退団して復活を遂げたヤクルト・坂口智隆など、近年は自由契約を選択して移籍したことをキッカケにもうひと花咲かせるというケースも少なくない。
新天地では登録名も変えて心機一転を図る金子弌大と、初のセ・リーグ移籍で復活を期す中島宏之に注目だ。