実力者補強で立て直しの一歩
今季17年ぶりにリーグ最下位に沈んだ阪神は、シーズン終了直後に金本監督が辞任。後任は来季のヘッドコーチ就任が決まっていた矢野燿大二軍監督が内部昇格する形に収まった。ベンチスタッフは今季のファーム日本一を支えた福原投手コーチ、浜中打撃コーチなど4コーチが監督とともに“一軍昇格”し、来季以降の巻き返しを図る体制を整えた。
戦力面では、西岡剛や今成亮太といった実績のあるベテラン勢と、期待に応えられなかった助っ人のウィリン・ロサリオらに戦力外通告を下した一方で、ドラフトではベテランの糸井嘉男・福留孝介頼みとなっていた外野手補強にこだわり、即戦力候補の近本光司(大阪ガス)を1位指名した。
阪神のドラフト戦略には懐疑的な意見も見られたが、その後のストーブリーグではFA市場から西勇輝、中日との契約交渉が破談していたオネルキ・ガルシアら実績ある先発投手の補強に成功。また、新助っ人としてセットアッパー候補のピアース・ジョンソン、今季エンゼルスで大谷翔平のチームメイトだったMLB通算30発のジェフリー・マルテを獲得するなど着々と補強を進めている。
現有戦力も来季から日本人登録となるランディ・メッセンジャー、今季途中から加入したエフレン・ナバーロ、FA流出の可能性もあった上本博紀の残留が決まり、来季のチームの大枠はほぼ確定した模様。逆襲へのカギは来季からキャプテンを務める糸原健斗をはじめ、年俸アップを勝ち取った北條史也や陽川尚将、大山悠輔といった若虎のさらなる成長だろう。
貧打で最下位に沈んだ17年前は、星野仙一監督を迎えて2年後に優勝。01年オフにオリックスとの契約交渉がもつれたジョージ・アリアスを獲得し、03年には今岡誠、赤星憲広、藤本敦士らがブレークして完全優勝の原動力となった。今オフの補強を屋台骨に若虎が暴れまわれば、かつての「星野阪神」同様に逆襲優勝も十分に可能だろう。矢野新監督を迎えて挑む来季の阪神に注目だ。
2018年内のIN/OUTまとめ
【IN】11名
▼ FA
<投手>
西 勇輝(28)
▼ 自由契約選手
<投手>
オネルキ・ガルシア(29) ※前中日
▼ 新外国人選手
<投手>
ピアース・ジョンソン(27)
<内野手>
ジェフリー・マルテ(27)
▼ ドラフト
<投手>
斎藤友貴哉(23)
川原 陸(18)
湯浅京己(19)
<捕 手>
片山雄哉(24)
<内野手>
小幡竜平(18)
木浪聖也(24)
<外野手>
近本光司(24)
【OUT】10名
▼ FA補償
<投手>
竹安大知(24)※オリックスへ
▼ 自由契約
<投手>
山本翔也(29)
マルコス・マテオ(34)
ディエゴ・モレノ(31)
<捕手>
小豆畑真也(30)※ブルペン捕手
<内野手>
西岡 剛(34)
今成亮太(31)※現役引退
西田直斗(25)
ウィリン・ロサリオ(29)
<外野手>
緒方凌介(28)※球団職員
※その後、現役引退となった選手も含む