鵜久森の引退にダルビッシュが…
今シーズンまでヤクルトでプレーしていた鵜久森淳志が、現役生活に別れを告げることを発表した。次の仕事はソニー生命柏営業所での営業職だと公表。第2の人生は営業マンとして日本一を目指していくことになる。
鵜久森といえば、2004年のドラフト8位で済美高校から日本ハムへ入団。この時のドラフトで1位指名されたのが、現在カブスに所属しているダルビッシュ有だった。ドラフト同期ということもあり、ダルビッシュも海の向こうから鵜久森の引退に反応。自身のTwitterで「うぐ、お疲れ様! 」のメッセージを送った。
鵜久森は済美高時代に4番打者として春のセンバツで優勝。夏の選手権でも準優勝を成し遂げている。甲子園通算本塁打数は5本。将来の大砲候補として日本ハムに入団した。しかし、2015年まで日本ハムでプレーしたものの思うような結果を残すことができず、戦力外通告を受けてしまう。
それでも、自由契約からヤクルトへの入団を果たすと、主に代打の切り札として活躍。移籍1年目の2016年にはキャリアハイの成績を記録している。しかし、今シーズンオフに2度目の戦力外通告。12球団合同トライアウトを受験して他球団への移籍を目指したが、オファーはなく引退を決意した。
福井優也と安楽智大がチームメートに
現時点で済美高校OBのプロ野球選手は鵜久森の他にふたりいる。そのふたりも来年が転機となりそうだ。福井優也と安楽智大である。
福井はこのオフ、菊池保則とのトレードで広島から楽天へと移籍。来年は心機一転のシーズンとなる。済美高校から浪人の末に早稲田大学へと進学し、2010年のドラフト1位で広島に入団。1年目から8勝(10敗)をマークし大きな期待をかけられていた。
しかし、それ以降は伸び悩む時期が続き、2015年には9勝6敗、防御率3.56と復活しかけたが、それ以降は再び下降線をたどっていく。今シーズンは3試合の先発登板で0勝3敗、防御率8.40。クライマックスシリーズや日本シリーズでも登板はなく、3連覇を果たしたチームに貢献することはできなかった。トレードで移籍した楽天で復活することに期待がかかる。
その福井が移籍した楽天には、高校の後輩にあたる安楽がいる。2014年ドラフト1位で楽天に入団。ルーキーイヤーの最終盤に一軍初登板・初先発で初勝利をマークするなど、翌年以降に大きな期待をもたせてくれた。
しかし、故障に苦しめられたこともあって、ここまでの通算勝ち星はわずか5勝。高卒4年目のシーズンが終わったばかりと、結果を求めるには少し気が早いかもしれないが、ドラフト時の期待値からすると物足りないのは確かだろう。ドラフト1位入団したとはいえ、そろそろ結果が出ないと取り残されてしまう。
5年目のシーズンとなる来年は、先輩である福井がチームメートになる。これは安楽にとって新たな刺激となることだろう。鵜久森は引退となってしまったが、福井、安楽のふたりには済美高校OBとして奮闘してもらいたい。