春季キャンプは二軍スタート!?
新年を迎え、2月1日のキャンプインまで約1カ月。来るべき新シーズンに向けて、選手たちも国内外の各地で自主トレをスタートさせている。特に2018年シーズンを不本意な成績で終えた実力者たちは、例年以上に期するものがあるだろう。
石井一久GMの下で生まれ変わろうとしている楽天の茂木栄五郎も「そのひとり」だ。プロ入り2年目の2017年には、打率.296(398-118)、17本塁打を記録しリードオフマンとしてチームを牽引。チームのクライマックスシリーズ出場に貢献した。しかし2018年は故障もあり規定打席に達せず、打率.247(361-89)、7本塁打と精彩を欠いてしまう。その悔しさをバネに、2019年は再び正遊撃手として大暴れする腹づもりだったはずだが、シーズン終盤に負傷した左肩の回復が遅れており、春季キャンプは二軍スタートが濃厚と見られている。
二塁を守る浅村栄斗が西武からFAで加入したことで、守備職人・藤田一也が遊撃に回り、茂木の穴を埋める“最有力候補”となるか。ただ、藤田も2019年には38歳となる大ベテラン。本来であれば若手選手の台頭に期待を寄せたいところだろう。
楽しみな若手の存在も
楽天の若手遊撃手候補となると、2年目の西巻賢二と山崎剛、4年目の村林一輝、ルーキーの渡辺佳明(明治大)といった面々に加え、8年目の三好匠もいる。
なかでも西巻は、2018年に高卒1年目ながら25試合に出場し打率.247(77打数19安打)の成績を残した。本塁打こそないものの、この打率は清宮幸太郎(日本ハム)や安田尚憲(ロッテ)、村上宗隆(ヤクルト)といった同期のドライチたちの数字を凌ぐもの。守備の負担が大きい二遊間を守り、尚且つ高卒新人でのこの結果は評価に値する。
身長180センチの大型遊撃手として期待されている村林は、2018年に高卒3年目を迎えたが、プロ初打点をマークするなど28試合に出場した。そして、キャリアハイの70試合に出場したのが三好匠。2019年は高卒8年目の26歳となる。課題の打撃面を改善できるか、勝負のシーズンとなりそうだ。
その他にも、横浜高の元監督である渡辺元智氏を祖父にもつルーキーの渡辺にも注目したい。現時点では話題先行の感も否めないが、大学生活最後のリーグ戦では首位打者を獲得し、遊撃手でベストナインを受賞。六大学4年間での通算打率も3割を超えており、その期待は大きい。
茂木の故障は痛手だが、2018年の終盤には前述した西巻、村林、山崎といった若手が出場機会を得て一軍の舞台を経験した。ベテランの藤田が茂木の穴を埋めるのではなく、若手がポジションを奪うような状況になれば、チームも活性化されるはず。茂木が故障から戻ってきても、簡単にレギュラーの座を明け渡さないような状況をつれれば成功と言えるだろう。。
遊撃手は守備の要ともいえるポジション。レギュラーの茂木が出遅れるようなことになれば、チームにとって打撃となるのは間違いない。しかし、最下位から上位浮上を目指すためには、ここに名前を出したような若手選手たちの奮闘が必須。浅村の加入が何かと話題になっているが、キャンプで繰り広げられるであろう、彼らの熾烈なポジション争いからも目が離せない。。