今季は侍ジャパンの一員として日米野球でも好投した上沢直之

◆ 2019年は強打の三塁手たちが年男

 新年も7日目を迎え、新人選手も続々と入寮。2019年のプロ野球が本格的にスタートしようとしている。今年の干支は「亥」ということで、12年に一度訪れる、他の干支にないご加護が受けられる年、いわゆる「年男」に当たるのが、1983年生まれ、1995年生まれの選手たちだ。

 1983年生まれでは、松田宣浩(ソフトバンク・5月17日生まれ)、近藤一樹(ヤクルト・7月8日生まれ)、中村剛也(西武・8月15日生まれ)、今江年晶(楽天・8月26日生まれ)、栗山巧(西武・9月3日生まれ)、金子弌大(11月8日生まれ)、ホセ・ロペス(DeNA・11月24日生まれ)らが当てはまり、1995年生まれでは、吉川尚輝(巨人・2月8日生まれ)、濱口遥大(DeNA・3月16日生まれ)、上林誠知(ソフトバンク・8月1日生まれ)、森友哉(西武・8月8日生まれ)、田口麗斗(巨人・9月14日生まれ)、松井裕樹(楽天・10月30日生まれ)、東克樹(DeNA・11月29日生まれ)らが該当する。

 「ご加護が受けられる」「縁起がいい」とされる“年男”だが、該当する選手たちは好成績を残しているのかは少し気になるところ。現在、NPBに在籍する選手の年齢で見れば、今年24歳か、36歳になる選手たち。若手である24歳はまだまだ伸び盛り。一方の36歳はチームでもベテランの部類に入ってくる。競争が熾烈なプロ野球界で24歳ながら台頭、もしくは36歳となってもなおプレーしているということは、それなりの“実力”や“実績”を残してきたからでもあるが、そんな選手たちはどのような成績を残してきたのか。

◆ 台頭した94年組は?!

 さすがに過去10年というわけにもいかないので、ここでは2018年の「年男(1982年か1994年生まれ)」たちを見ていきたい。ただし、該当者が100人近くいるため、ここでは主だった選手に絞った。まずは、いまが伸び盛りとも言える1994年生まれ(24歳)の選手たちから見ていく。

【投手】
▼ 上沢直之(日本ハム・2月6日生まれ)
17年:15試合( 91.2回) 4勝9敗 防御率3.44
18年:25試合(165.1回)11勝6敗 防御率3.16

▼ 藤浪晋太郎(阪神・4月12日生まれ)
17年:11試合(59回)3勝5敗 防御率4.12
18年:13試合(71回)5勝3敗 防御率5.32

▼ 澤田圭佑(オリックス・4月27日生まれ)
17年:13試合(13回) 0勝2敗 防御率4.15
18年:47試合(49.2回)5勝0敗8ホールド 防御率2.54

▼ 小野泰己(阪神・5月30日生まれ)
17年:15試合( 78.2回)2勝7敗 防御率4.35
18年:23試合(126.1回)7勝7敗 防御率4.77

▼ 黒木優太(オリックス・8月16日生まれ)
17年:55試合(53.1回)6勝3敗2セーブ25ホールド 防御率4.35
18年:39試合(34回) 1勝1敗17ホールド 防御率4.50

▼ 中尾輝(ヤクルト・9月14日生まれ)
17年: 2試合( 4回)0勝1敗 防御率11.25
18年:54試合(54回)7勝3敗12ホールド 防御率3.50

【野 手】
▼ 高橋周平(中日・1月18日生まれ)
17年: 41試合 打率.233(129- 30) 2本塁打 10打点
18年:128試合 打率.254(433-110)11本塁打 69打点

▼ 茂木栄五郎(楽天・1994年2月14日生まれ)
17年:103試合 打率.296(398-118)17本塁打 47打点  3盗塁
18年:100試合 打率.247(361- 89) 7本塁打 24打点 12盗塁

▼ 京田陽太(中日・4月20日生まれ)
17年:141試合 打率.264(564-149)4本塁打 36打点 23盗塁
18年:143試合 打率.235(578-136)4本塁打 44打点 20盗塁

▼ 田村龍弘(ロッテ・5月13日生まれ)
17年:132試合 打率.248(311-77)3本塁打 36打点 4盗塁
18年:143試合 打率.239(415-99)3本塁打 35打点 3盗塁

▼ 田中和基(楽天・1994年8月8日生まれ)
17年: 51試合 打率.111( 54- 6) 1本塁打  2打点  7盗塁
18年:105試合 打率.265(423-112)18本塁打 45打点 21盗塁

▼ 鈴木誠也(広島・8月18日生まれ)
17年:115試合 打率.300(437-131)26本塁打 90打点 16盗塁
18年:124試合 打率.320(422-135)30本塁打 94打点  4盗塁

▼ 西川龍馬(広島・12月10日生まれ)
17年: 95試合 打率.275(204- 56)5本塁打 27打点 4盗塁
18年:107試合 打率.309(327-101)6本塁打 46打点 5盗塁

▼ 大山悠輔(阪神・12月19日生まれ)
17年: 75試合 打率.237(198-47) 7本塁打 38打点 2盗塁
18年:117試合 打率.274(347-95)11本塁打 48打点 5盗塁

 自身初の2桁勝利を挙げた上沢直之や規定打席に到達した高橋周平、プロ2年目で新人王に輝いた田中和基など開花した選手が目立つ一方で、2017年の新人王に輝いた京田陽太は打率を3分近く落とし、ルーキーイヤーの2016年に打率.278を残した茂木栄五郎もケガの影響もあり昨季は.247と低調だった。しかし、全体的に見てみると、比較的前年よりも好成績を残している印象だ。

◆ 気を吐いたベテランも

 続いて、1982年生まれ(36歳)の選手たちの成績を見ていく。

【投 手】
▼ 内海哲也(巨人・4月29日生まれ)
17年:12試合(57.2回)2勝7敗 防御率5.77
18年:15試合(82回) 5勝5敗 防御率4.17

▼ 中田賢一(ソフトバンク・5月11日生まれ)
17年:18試合(86.2回)7勝6敗 防御率4.57
18年:23試合(91.2回)5勝3敗 防御率5.20

▼ 摂津 正(ソフトバンク・6月1日生まれ)
17年:7試合(33.2回)0勝2敗1ホールド 防御率5.61
18年:7試合(29.2回)2勝4敗 防御率5.16

▼ 比嘉幹貴(オリックス・12月7日生まれ)
17年: 8試合( 8.1回)0勝1敗1ホールド 防御率3.24
18年:43試合(35.1回)0勝2敗1セーブ9ホールド 防御率2.04

【野 手】
▼ 藤田一也(楽天・7月3日生まれ)
17年:102試合 打率.252(270-68)3本塁打 33打点 2盗塁
18年: 90試合 打率.266(248-66)4本塁打 16打点 0盗塁

▼ 亀井善行(巨人・7月28日生まれ)
17年:109試合 打率.251(247- 62) 6本塁打 47打点 1盗塁
18年:123試合 打率.254(422-107)13本塁打 49打点 4盗塁

▼ 中島宏之(オリックス・7月31日生まれ)
17年:124試合 打率.285(431-123)9本塁打 49打点 0盗塁
18年: 77試合 打率.289(225- 65)5本塁打 34打点 0盗塁

▼ 内川聖一(ソフトバンク・8月4日生まれ)
17年:73試合 打率.297(266-79)12本塁打 50打点 0盗塁
18年:71試合 打率.242(281-68) 8本塁打 30打点 1盗塁

▼ 畠山和洋(ヤクルト・9月13日生まれ)
17年:15試合 打率.212( 52-11)2本塁打  4打点 0盗塁
18年:75試合 打率.248(129-32)5本塁打 27打点 0盗塁

▼ マギー(巨人・10月12日生まれ)
17年:139試合 打率.315(523-165)18本塁打 77打点 4盗塁
18年:132試合 打率.285(499-142)21本塁打 84打点 2盗塁

 ケガの影響などもあり1994年世代と比べると、やや低調な印象もあるが、巨人の亀井善行などは開幕二軍スタートながら、陽岱鋼の故障で一軍に上がるとスタメン出場が増加。2009年以来9年ぶりの規定打席到達を果たし、貧打に喘ぐチームを支えた。

 また上記の一覧に名前はないが、MLBから復帰1年目となった青木宣親も、古巣ヤクルトで全盛期を彷彿とさせる華麗なバットコントロールを披露。チームの精神的支柱となり、前年最下位に終わったチームを2位に押し上げる原動力となった。

 移籍や戦力外、引退など、プロ野球人生の岐路に立つ選手も多い36歳組だが、果たして今年の年男となる選手たちは、どのような成績を残すのか注目したい。

文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)

【プロフィール・福嶌弘】 1986年、神奈川県生まれ。バイク・クルマの雑誌の編集部を経て2015年からフリーライターに。父が歌う「闘魂込めて」を聴いて育ったため、横浜出身ながら生来の巨人ファン。『がっつり!プロ野球』(日本文芸社)、『プロ野球 復活の男たち』(宝島社)などに執筆。

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