期待の大卒ルーキーたち
ベイスターズ期待のルーキーたちが、横須賀市長浦の青星寮に続々と入寮した。
ドラフト1位の上茶谷大河投手(東洋大)は「1年を通してやってやる」と、決意を新に入寮。今まで使っていたペラペラで固いマットレスを「東洋大学で同期の甲斐野(ソフトバンクのドラ1)に『縄文時代のか!?』と言われたので、良いのを買っちゃいました」と、「4~5万するマットレス」を持参した。
年末年始も順調に調整をこなしているようで、すでに傾斜を使った立ち投げも行っていることを明かし、「勝負強さなど、ラミレス監督の期待に応えられる自信はある」と力強くコメントした。目標はズバリ「新人王」。「ケガなく1年戦い抜く」ことを誓った期待の即戦力右腕は、有言実行を目指す。
また、ドラフト2位の伊藤裕季也内野手(立正大)は「身体も気持ちも100%」と、万全の状態であることをアピールした。こだわりの持参品は、立正大学の坂田精二郎野球部監督から贈られた本でもある野村克也氏の『野球論集成』。坂田監督は社会人野球のシダックス時代に、当時の野村監督から指導を受けたことがあり、言わば“恩師の恩師”の著書ということになる。伊藤にとっては「結果が出ない時や、困ったときに読み返している」“バイブル”的な一冊だ。
アピールポイントは「バッティング」で、「同じ右バッターで内野手の宮崎さんが目標。右方向への強い打球を参考にしたい」と語る。1年目の目標を尋ねられて「2桁ホームラン」と即答する“イケメン”スラッガーにも、1年目からの台頭に期待したい。
一軍キャンプの可能性も
その他にも、入団発表会の際にラミレス監督から、上茶谷、伊藤と共に「一軍のキャンプに連れていくかもしれない」と語っていた、ドラフト3位の大貫晋一投手(新日鐵住金鹿島)と同6位の知野直人内野手(新潟アルビレックスBC)も同日に入寮した。
大貫は職場の部署の仲間が寄せ書きしてくれた“のぼり”を持参し「鹿島のみんなの為にも頑張る」とコメント。「(ルーキーの中では)一番年上なので、いい意味で引っ張っていきたい」と気持ちを新たにした。今季の目標は「開幕一軍」。「一年間仕事ができるように。任された場所で花を咲かせたい」と笑顔で語り、将来的には「三浦大輔さんのようにファンに愛される選手になりたい」との思いも明かす。
知野は「プロ野球選手になった。覚悟をもって入寮した」と、緊張の中にも決意を込めた表情で語り、年末年始も元旦以外は練習するなど、「しっかりやってきた」との自負があるようだ。目標は「一軍の試合に出る。2年目につながるような1年目に」と堅実なプランを口にする。持参したのは“抱き枕”で、中学1年から愛用しているとのこと。「これがないと眠れない」ほどの愛着があるようだ。
近年のドラフトでは“当たり”が続いてるベイスターズに、今年も楽しみな逸材たちが揃った。まずは個性あふれるルーキーたちの一軍キャンプ入りに向けたアピール合戦に注目したい。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)