ローテ定着狙う西武2年目のラッキーボーイ
2019年が幕を開け、各選手の自主トレがペースアップ。2月に入れば春季キャンプがスタートし、セ・パともに3月29日からペナントレースが開幕する。新シーズンが始まる前に、各球団の戦力状況を探りながら活躍が期待される若手を各球団ごとにピックアップ。今回はパ・リーグ編だ。
●西武:伊藤翔 (投手/独立L出2年目)
千葉・横芝敬愛高、四国アイランドリーグ・徳島を経て、19歳でプロ入りした右腕。ルーキーイヤーの昨季は主に中継ぎとして16試合に登板し、2日連続で白星を手にするなど、“ラッキーボーイ”としてチームの優勝に貢献した。
2年目の今季は先発ローテ入りを目指し、長いイニングを投げられるようスタミナ強化に取り組んでいる。リーグ連覇を狙う西武だが、菊池雄星のマリナーズ入りが決まるなど、今季も投手事情は苦しい。同学年の今井達也、2年目左腕・斉藤大将、新人右腕・松本航らと切磋琢磨しなが、投手力底上げの一端を担いたい。
●ソフトバンク:大本将吾(外野手/高卒3年目)※育成
千賀滉大、石川柊太、大竹耕太郎、甲斐拓也、牧原大成と、育成出身選手の飛躍が目立つ近年のソフトバンク。それでもなお、支配下契約を目指す3ケタ番号の中には好素材がまだまだ存在する。
右投げ左打ちの外野手・大本将吾もその一人。186センチ、100キロと恵まれた体格の持ち主で、パワフルな打撃フォームは「憧れ」と語る柳田悠岐を彷彿とさせる。昨季は三軍戦でチームトップの41打点を挙げるなど、打率.262、出塁率.341、3本塁打を記録した。スケールが大きく、大化けの可能性を秘める和製大砲。キャンプから猛アピールし、一日も早く支配下契約を勝ち取りたい。
●日本ハム:北浦竜次(投手/高卒2年目)
将来性豊かな大型左腕。昨季はファームで土台作りをしながら、二軍戦18登板(44回1/3)で2勝2敗、防御率4.06の成績を残した。10月4日の楽天戦で一軍初登板。中継ぎで1イニングをパーフェクトに抑え、満点デビューを飾った。
魅力は躍動感溢れるフォームから繰り出される力強い真っ直ぐ。最速はプロ入り後152キロまで上がり、試合でもコンスタントに140キロ後半を計測する。縦に大きく割れるカーブと落差のあるチェンジアップも効果的で、二軍戦では制球も安定。完成度の高い2年目左腕に要注目だ。
再注目!オリックス山本が再び先発へ
●オリックス:山本由伸(投手/高卒3年目)
高卒1年目から大器の片鱗を見せていたチームの至宝。2年目の昨季はセットアッパーとしてチーム3位の54試合に登板し、4勝2敗1セーブ32ホールド、防御率2.89の好成績を残した。
昨年もこの企画で紹介した投手だが、先発に再転向する方針のため2年連続のピックアップ。日本ハムへ移籍した金子弌大、阪神へ移った西勇輝に代わるローテ要員として、開幕からフル回転してほしいところだ。新生・西村オリックスの命運を握る3年目右腕。山岡泰輔、田嶋大樹らを交えた、ハイレベルな“新エース争い”に期待したい。
●ロッテ:安田尚憲(内野手/高卒2年目)
2年目の飛躍が期待される左の長距離砲。昨季は一軍出場17試合で打率.151(53打数8安打)、1本塁打、7打点の成績だったが、高卒1年目から一軍のレベルを体感できたことは今後の財産になるはずだ。
オフにはアジアウインターリーグに参戦し、初対戦の投手が多い中で打率.305(59打数18安打)、1本塁打、13打点と結果を残した。主戦場とする三塁には、昨季のレギュラー・鈴木大地だけではなく、新たに前日本ハムのレアードが加わった。激しい定位置争いに身を投じながら、攻守ともにレベルアップを図る。
●楽天:西口直人(投手/専門学出3年目)
ドラフト10位で2017年に甲賀健康医療専門学校から入団。2年目の昨季はイースタンリーグで4勝1敗、防御率1.80の好成績を残した。9月30日のオリックス戦で一軍デビュー。8回に2ランを浴びプロ初勝利こそ逃したが、7回までの2安打無失点投球は見事だった。オフにはアジアウインターリーグに参加し、4試合(18イニング)の登板で防御率2.00を記録。大会MVPに輝いた同僚右腕の池田隆英とともに、イースタン選抜の大会連覇を支えた。
ゆったりとしたフォームから繰り出される、糸を引いたような真っ直ぐが魅力。投球フォームはオリックスから日本ハムへ移籍した金子を彷彿とさせ、決め球であるチェンジアップの精度も高い。成長著しいドラ10右腕。最下位からの巻き返しを狙うチームの救世主になるかもしれない。