ニュース 2019.01.19. 11:30

“親心”に応えられるか…2年目の新人王を目指す男たち

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U-23・W杯でも活躍したロッテ・安田尚憲

田中和基が2年目で新人王受賞


 1月も折り返し地点を過ぎ、いよいよ春季キャンプが近づいてきた。現在は各球団で新人選手たちによる合同自主トレが盛んに行われており、根尾昂(中日)や吉田輝星(日本ハム)、藤原恭大(ロッテ)といった注目のゴールデンルーキーたちが注目を集めている。

 新人選手たちは自主トレ、初めてのキャンプを通じて首脳陣にアピールをし、まずは開幕一軍というところを目指していく。そこからレギュラーを掴み、自らの役割を全うした先には、生涯一度きりのチャンスとなる“新人王”獲得へ…。夢は膨らんでいく。

 その名の通り、その年の最も優れた新人選手に贈られるタイトルが“新人王”であるが、実はそのチャンスがあるのは「プロ1年目」の選手だけではない。2年目以降の選手でも、新人王の資格を持っている選手がいるのだ。条件は以下の通り。


▼ 新人王資格
・海外のプロリーグに参加した経験がない選手
・初めての支配下登録から5年以内の選手
・[投手] 前年までの一軍での登板が30イニング以内
・[野手] 前年までの一軍での打席数が60打席以内


 この条件に当てはまる選手が、新人王の有資格者ということになる。昨年もパ・リーグは楽天の田中和基がプロ2年目にして新人王を受賞した。こういったケースは決して珍しいことではない。


ギリギリで資格を残した選手に注目


 このように条件が明確に決められているだけに、球団側が“配慮”を見せるということもある。1年目から一軍でデビューさせながら、投手であれば30イニングを、野手であれば60打席を「超えてしまわないように気を付けながら起用」をするということだ。

 例えば、ロッテの昨年のドラフト1位ルーキー・安田尚憲がそのひとり。高校時代から“東の清宮(幸太郎/日本ハム)、西の安田”と注目を集めた高卒スラッガーは、プロ1年目から一軍デビューを果たし、プロ初本塁打も放った。

 8月のデビュー以降、一軍の壁に苦しみながらも、最終盤まで経験を積んだ安田。しかし、最後は首脳陣の“親心”からちょうど60打席でシーズンを終えている。2年目の今季にタイトルの資格を持ち越した。

 オフもU-23・W杯の日本代表に選出され、それが終わるとアジア・ウインターリーグにも参加。実戦に次ぐ実戦でさらに経験を上積みして、プロ2年目のシーズンに備えている。チームはかつての本塁打王であるブランドン・レアードを獲得しており、安田の本職である三塁のポジション争いはより激しいものとなっているが、その中で頭角を現すことができるだろうか。


 投手では、ソフトバンクの高橋礼が30イニングちょうどで1年目のシーズンを終えた。

 稀少なアンダースローということでも注目を集めた右腕は、秘密兵器としてポストシーズンでも登板。オフには日米野球の日本代表に選出されるなど、チーム外からも大きな期待をかけられる選手である。

 現時点で起用法は明らかになっていないものの、先発ローテーションに入ることができれば新人王争いという点で見ると大きなアドバンテージとなる。純粋な新人ではない選手は忘れがちだが、高橋礼の名前は覚えておきたい。


 一生に一度しかチャンスのないタイトルを掴むのは誰か…。期待のルーキーはもちろんのこと、資格を持って2年目以降のシーズンを迎える選手たちにも注目だ。




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