18年のチーム防御率は12球団ワースト
中日は21日、2月1日から沖縄で行う春季キャンプのメンバー振り分けを発表。与田剛新監督の下、7年ぶりのAクラスを目指す戦いがスタートする。
21日の時点で一軍(北谷)メンバーに入っていたドラ1内野手の根尾昂は、その後、自主トレ中に右ふくらはぎを痛め、大事をとり二軍(読谷)スタート。同じく一軍スタート予定だった3年目右腕・藤嶋健人は、右手に血行障害の疑いがあるとして沖縄入りを一時見送ることになった。若手の小休止は心配ではあるが、無理をさせる時期でもない。まずは再発防止を最優先し、完全復帰を待ちたいところだ。
キャンプイン前に、2018年の中日を振り返っておきたい。63勝78敗2分けでリーグ5位。球団ワーストの6年連続Bクラスとなったわけだが、チーム打率はリーグ2位の.265、同得点圏打率は同1位の.280を記録した。一方で、総得点はリーグ4位の598点。効率の悪さや選手層の薄さなどに改善の余地はあるが、レギュラー陣がそのまま残る今季も攻撃面には期待が持てる。
問題は投手陣だ。昨季のチーム防御率は12球団ワーストの4.36。同じく12球団で最も悪い救援防御率4.93は、17年の自軍成績3.99と比較しても1点近く悪化している。先発陣は13勝のガルシア、6勝した松坂大輔の新加入コンビに救われたが、ガルシアよりも前評判が高った新外国人投手・ジー、さらに大野雄大が揃って未勝利で終わるなど、とにかく先発、救援ともに誤算が多すぎた。
伊東ヘッド、阿波野&赤堀投手コーチらにも期待
投手整備が急務の新シーズン。先発陣の柱として見込んでいたガルシアが阪神へ移籍し、後釜候補として同じ左腕のロメロを獲得した。いきなりガルシア同様の活躍を求めるのは酷だが、現状、開幕ローテ候補に挙げられるのは、ロメロ、松坂、吉見一起、笠原祥太郎、柳裕也、小熊凌祐、大野あたりと予想する。ここに前述の藤嶋、手術明けの小笠原慎之介、右肩に不安を抱えるドラ2の梅津晃大、そして先発転向を見据える又吉克樹あたりが加わってくれば面白くなる。
救援は祖父江大輔、鈴木博志、佐藤優、田島慎二、ロドリゲス、岡田俊哉に加え、ドラフト3位右腕・勝野昌慶にも期待したい。勝ちパターンの再構築も含め、ブルペン整備は今キャンプ最大のテーマ。与田監督自身が現役時代、1年目から31セーブを挙げ新人王を獲得した実績があるだけに、自らの経験を伝えながら強固なリリーフ陣を作り上げてほしいところだ。
大きな補強はなく、既存戦力の底上げが重要となる今季の中日。その中で改めて注目したいのが、野球日本代表「侍ジャパン」の経験者たちだ。昨シーズン飛躍し、オフの日米野球に出場した笠原と佐藤はもちろん、特に奮起してほしいのが、昨季の防御率8.56の大野、同7.22の田島、同6.53の又吉、同5.06の岡田だ。投手陣の柱になるはずだった代表経験者4人が、揃って防御率5点台越え。これでは防御率ワーストも無理はない。
ただしポジティブに捉えるのであれば、彼らが通算防御率程度の平均的な成績を残してくれれば、それだけで投手力はだいぶ改善される。ちなみに4投手とも、通算防御率は3点台前半。年齢的にも老け込む歳ではない。
また今季の中日は、与田新監督だけではなく、伊東勤ヘッドコーチ、阿波野秀幸投手コーチ、赤堀元之投手コーチ、中村武志バッテリーコーチなど、現役時代の実績、指導経験ともに豊富な面々を新スタッフとして迎え入れた。同じく監督、ヘッドコーチ、打撃コーチなどが大きく入れ替わり、前年最下位から2位へ躍進した昨季のヤクルトのように、組織改革に伴うチーム成績好転にも期待したい。