台湾で掴んだ自信
「監督が見ている前で、いい経験をさせてもらった。ひとつの自信になった」。
昨年11月に行われた台湾遠征で井口資仁監督はじめ一軍首脳陣が見つめる中、威力のあるストレートを中心に2試合に登板して無失点という結果を残した。
「ニュースを見て、いい評価をしてもらっていたので、良かったなと思います」と振り返った。
昨秋から12試合連続無失点中
昨年の台湾遠征で一軍首脳陣の前にアピールした島だが「シーズン中はあまりよくなかった」と話すように、制球に苦しむなど昨季二軍戦は11試合に登板して防御率10.80だった。
シーズン中は苦しんだ島だが、シーズン終了後に行われたフェニックスリーグでは8試合に登板して無失点に抑えた。
フェニックスリーグ後に行われた台湾遠征、年が明けてからも2月1日の紅白戦、9日のLamigo戦と合計12試合、12回2/3を無失点と安定した投球を継続している。本人も「非常に良いこと」と話す。
昨秋から好投を続けている要因について「(昨季)シーズン中は攻める姿勢が足りなかったので、フェニックスはそこを意識して取り組みました。それが無失点という結果につながりました」と自己分析する。
練習の取り組みなどについても、特にシーズン中から変化させた部分などはないそうで、「気持ちの部分だけ。強気でいくというところ」と精神面を挙げた。
1年目から島を指導する小野二軍投手コーチは「悪かった状態から良くなってきたところを見ていた。(昨年は)終盤ファームでも投げられる状態まであがってきた。その中で、一軍の秋季キャンプ、台湾遠征に連れて行ってもらえて、フェニックスでもそれなりのピッチングができてきた。いいものを出せるようになってきたかなと段階です」と評価している。
▼ フェニックスリーグ
10月8日vsハンファ 1回2/3 0失点
10月10日vs広島 1回 0失点
10月13日vsハンファ 1回 0失点
10月14日vs四国IL選抜 1回 0失点
10月19日vsサムスン 1回 0失点
10月23日vsサムスン 1回 0失点
10月25日vsハンファ 1回 0失点
10月27日vsソフトバンク 1回 0失点
▼ 台湾遠征
11月9日vsラミゴ 1回 0失点
11月11日vsラミゴ 1回 0失点
▼ 春季キャンプ
2月1日 紅白戦 1回 0失点
2月9日vsラミゴ 1回 0失点
「バッターがビビるような真っすぐを投げたい」
台湾で掴んだ自信をさらに深めるために、自主トレでは「力のあるストレートを求めてやっています」とストレートの向上を目指し取り組んだ。
「まだ道半ばのところはありますが、そこもどんどん突き詰めてやっていきたいです。特にバッターがビビるような真っすぐを投げたいと思います」。“ストレートの球速”に強くこだわっている。
キャンプに入ってからは145キロを計測したとのことだが、「高校時代のスピードが常時でるようにしたい」と150キロを超える速球を目指している。
13日から始まる沖縄遠征のメンバーに選ばれ、ここから本格的な競争がスタートする。「結果よりも自分の持っているモノを出していけるようにしたいと思います」と意気込んだ島。ZOZOマリンのマウンドに立つ日もそう遠くないはずだ。
取材・文=岩下雄太