斎藤佑樹が好投!
2月1日に始まった春季キャンプも大詰めを迎え、23日からはいよいよオープン戦が開幕する。
やはりこの時期と言うと、ルーキーや新外国人、もしくはFA移籍した選手らが注目を集めるが、今回はかつて大きなあ注目を集めた“あの3人”の現状を追ってみたい。2010年のドラフト会議を盛り上げた早稲田大のドラフト1位トリオこと、斎藤佑樹(日本ハム)・大石達也(西武)・福井優也(楽天)だ。
まずは、斎藤佑樹から。アリゾナキャンプ中に行われたNC(韓国)との練習試合では、2回を完全投球で仕上がりの良さをアピールすると、国内に戻ってきてからも20日に行なわれた楽天との練習試合で3回を無安打・3奪三振で無失点と好投。これでこの春の対外試合は5回を無安打無失点と、一軍生き残りへ向けて大きなアピールを続けている。
2年目までに11勝を挙げて期待をされたものの、その後はたったの4勝止まり。それこそ昨年はわずか3試合の登板にとどまり、白星を手にすることもできなかった。9年目を迎える今シーズン、2年ぶりの白星を手にすることはもちろん、崖っぷちから蘇り先発ローテーション入りを目指す。
B班スタートに食あたり……
斎藤と同様に、福井優也(楽天)や大石達也(西武)も正念場のシーズンとなる。
2010年のドラフト会議では、4球団が競合した斎藤を凌ぎ、6球団が1位指名で手を挙げた大石。2年目に一軍デビューを果たし、これまでに中継ぎとして通算130試合に登板してきた。なかでも、2016年には36試合に登板して防御率1.71。翌2017年には、20試合で防御率0.93という成績も残している。
しかし、ホールド数はそれぞれ3と4ということからもわかるように、勝利の方程式のひとりとしての出番というよりは、“中継ぎ投手のひとり”としてキャリアを積み重ねてきた印象が強い。昨年は右肩痛の影響で10試合の登板にとどまり、防御率も7.00と結果を苦しい1年だった。
6球団競合のドラフト1位がこの成績では当然もの足りないだろう。今年の春季キャンプも二軍に相当するB班からのスタート。どこまで這い上がることができるか。
福井は3人のなかでもっとも勝ち星をマークしており、通算の勝ち星は29(36敗)。ルーキーイヤーに8勝、5年目となる2015年には2ケタ勝利まであと一歩となる9勝をマークし、先発ローテーションとして活躍した。
ところが、その後の3年間は出番が少なくなり、昨年は3試合の登板で0勝3敗、防御率8.40。広島のリーグ3連覇に貢献することができなかった。
そんな福井は、このオフにはトレードで楽天へと移籍。心機一転のスタートとなる。春季キャンプでは一軍を勝ち取ったが、実戦初登板を食あたりで回避。大事には至っていないのは幸いだが、貴重なアピールの場を逃した格好だ。2月25日に行われる古巣・広島との練習試合に登板予定となっており、復活の投球を見せたいところだ。
2010年のドラフト会議では話題を独占した3人だが、ここまでの8年間を見る限り、前評判通りの結果を残したとは言い難い。近年は登板機会そのものも減少しており、今年はまさに正念場。年齢的にも「結果だけ」が問われることになる。
9年目のシーズンとなる2019年シーズン、彼らが「真の実力」を見せてくれることに期待したい。
▼ 3人の通算成績
・斎藤佑樹(日本ハム)
77試 15勝24敗 防4.32
・大石達也(西武)
130試 5勝6敗8セーブ・12ホールド 防3.44
・福井優也(広島→楽天)
109試 29勝36敗 防4.51