オリックス・西村監督 [写真=中村実愛]

◆ オープン戦で現れた意識改革

 開幕が2週間後に迫ってきたプロ野球。オープン戦で好調を維持するチームの一つが、昨季パ・リーグ4位のオリックスである。

 ここまでオープン戦9試合を消化して5勝3敗1分。12球団中3位(ソフトバンクと同率)につけている。チーム打率(.288)、防御率(2.33)はいずれも12球団トップと、投打がしっかりかみ合っている印象だ。なかでも際立っているのが盗塁の数。「14盗塁」は2位・西武の10個を大きく上回る。

 今季から指揮を執る西村徳文監督は“積極走塁”を今季のカギに挙げているが、少なくともオープン戦では有言実行していると言えるだろう。西村監督といえば、ロッテの監督に就任した2010年に新人監督として3位から“下剋上”を果たし、日本一に輝いた経験を持つ。

 さらに自身も現役時代に通算363盗塁に加え、4度の盗塁王に輝くなど、スピードスターとして活躍。自身の経験も踏まえ、走塁の重要性はよくわかっている。昨季までヘッドコーチを務め、選手の特徴を把握している点も心強い。

 もしオリックスが“走れるチーム”に変貌できれば、得点能力は昨季から大幅にアップするだろう。パワー部門では、侍ジャパンでも4番を務めた吉田正尚を中心に、T-岡田やロメロ、マレーロという30本以上を期待できる大砲を4人そろえている。さらに新外国人のメネセスがオープン戦で打率.583と日本の投手に高い適応力を示しており、こちらも期待が高まる。

 ただし、今季のオリックスは埋めるべき穴も多い。オフには小谷野栄一が引退したことに加え、中島宏之が退団。投手陣も金子弌大と西勇輝というエース格2人が抜けた。チームの顔だった4人を失った一方で、「ビッグネーム」と呼べる選手の獲得はなかった。

 しかし、実績豊富な4人が抜けたことで若手には大きなチャンスが巡ってきたことも事実。佐野皓大や頓宮裕真のオープン戦での活躍はまさにチームを活性化させている。

 前評判は決して高くないオリックス。単年契約で臨む西村新監督の下、“積極走塁”でペナントレースをかき回す台風の目となれるだろうか。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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