――小学部の練習は土日のみと聞いていましたが、中学部の練習は週にどれくらいなのでしょうか?
都築 練習は月曜日以外の週6日で、平日は自主参加になっています。遠くて毎日は来られない子もいますけど、学校が早く終わって来られる子は毎日来ています。グラウンドには毎日誰かしらコーチがいるようにしています。
――土日はどれくらい練習をしていますか?
都築 土日は小学部が先に練習している場合は10時から、試合や大会などでいない場合は9時から練習をしています。大体18時頃までやっています。
――新チームの部員数は何人でしょうか?
都築 新チームは1、2年生合わせて78名です。この時期は必然的に2年生がAチーム、1年生がBチームになります。
――ちなみに月謝は小学部と中学部で違うのでしょうか?
都築 月謝は小学部が1万2千円、中学部が2万円になっています。中学部の方が練習回数が多くなりますから少し多くいただいています。
――小学部と中学部で指導方針、理念などは異なるのでしょうか?
前田 小学部と中学部もチームの指導方針、理念は基本的には変わりません。礼儀、挨拶などのいわゆる「人間教育」を重視されるチームもあると思いますが、僕はそれは野球をやる以前に当たり前のことだと思っていますので、うちのチームでは「人間教育」が第一ではありません。第一は「野球」そのものです。野球の根本的な部分、つまり「打つ」「投げる」「捕る」「走る」という動作の中で、自分の体をこうやって動かすとボールが飛ぶようになるよ、スイングスピードが上がるよ、ストライクが取れるようになるよ、など、野球で一番重要な技術の部分の指導に力を入れています。野球をやろう、野球を覚えようという方針です。これは都筑中央ボーイズで小・中一貫して変わりません。
都築 あとは、中学部は高校野球への準備期間という位置付けにもなりますから、小学部よりも体力強化に力を入れていますね。週1回2時間ほどフィジカルトレーニングも行っています。
――小学部の子どもたちの多くがそのまま中学部に上がるのでしょうか?
前田 小学部からは半分くらいが中学部に上がります。グランドまで通うのが厳しいという距離的な問題で中学部に上がらない子も多いですね。ちなみに中学部で初めて硬球に触れるという子どものほうが多いんですよ。
都築 うちのチームではスカウティングを行っていないので、小学生時代に騒がれていた子どもとかは一人もいないんですよ。みんな中学部で叩き上げられています。
前田 うちはセレクションもやらないですから。先着順、早い者勝ちです(笑)。
――中学から初めて硬球に触れる子は肩や肘を壊したりする心配はありませんか?
前田 軟式をやっていのか硬式をやっていたのかに関わらず、全ての1年生に気を配るようにしています。中学生のはじめのうちはどうしてもボールを数多く投げたがるので、球数であったり練習メニューであったりというのは非常に気をつけています。特にピッチャーだと変化球を投げたがったりしますから、その辺は常に気にかけています。
――前回に小学部を取材させていただいた時に「中学部では(みんな強豪校への進学を目指しているので)少し厳しくなります」という話を伺いましたが、小学部同様に非常によい雰囲気で練習されていましたね。
前田 小学部に比べて中学部は質と量という面で厳しくなりますね。本当は一番厳しくやらないといけない時期は、引退した中3の夏から卒業までの期間なんです。練習をやらない子が多くなってしまいますから。ですからうちのチームでは、今日も3年生が朝グラウンドに来ていましたが、卒業までしっかり練習させるようにしています。そういう面では小学部よりも厳しいですね。
――中学年代の指導で大切なことを一つ挙げるとすると何でしょうか?
前田 さらなるプレーのスピードアップ、動きの切れ味を追求することですね。今の子たちは9割くらいの力で止めてしまうことが多いように思います。例えば、投手であれば投内連携の練習で自分の今持っている10割のプレーで臨んでみて、スピードも動きのキレもあるいいプレーができたとします。「よしできた!」とそこで立ち止まらず、じゃあ次はもっと早くプレーできるようにしてみよう、その次はもっともっと早くできるようにしてみようと、「今までの中で一番早いプレー、一番キレのある動き」を常に目指して、それを毎回更新していくことですね。
――新チームが始動して間もないですが、新しいチームはまずどの部分から作って行くのでしょうか?
前田 新チームではまずピッチャーから作っていきますが、目指すチームは「打って勝てるチーム」です。ですからバッターではまずバットを振れるようになることを求めます。この時期は守備には少々目を瞑り、守備力よりも打力を重視してチームを編成します。それは、その年々の選手の個性を見てからその年のチームカラーを決めていくということではなく、都筑中央ボーイズとして一貫して「打って勝てるチーム」を目指しているからです。監督が日大三高OBなのでそのはずです(笑)。
都築 そうですね(笑)。目指すところは打って勝てるチームですね。バントが上手くても強豪校からはなかなか声がかからないと思いますから、子どもたちにもまずはとにかくバットを振る力をつけさせるようにしています。
――それでは今後のチームの目標を教えてください。
前田 夏に勝ててないので夏に勝たせてあげたいですね。でも、僕は監督に「勝て」とは言っていないんです。もちろん、試合に勝てば選手もお父さんもお母さんも喜びますから、そこは目指していますけども、試合に勝つということ以前に、「野球の練習をしっかりやって野球を覚えよう」というところが大前提、スタートだと思っています。ですから練習のやり方でも、ボールの追い方、捕り方、キャッチボールの仕方から、こうやってやるものというのをしっかりと子どもたちに教えて、大事にしたいと思っています。最終的には子どもたちに「ここで野球を習って良かった」と思ってもらえるような3年間にしてあげたいと思っています。
都築 高校野球で通用する力を身につけさせたいですね。やるからには勝つこと、優勝することをもちろん目指しますが、中学で全国制覇することよりも高校野球で全国制覇する方がもっと大変なことだと思います。ですから、目先の勝利よりも子どもたちの能力を伸ばしてあげたり、高校で必要なことを教えていきたいですね。(取材・写真:永松欣也)
都築 練習は月曜日以外の週6日で、平日は自主参加になっています。遠くて毎日は来られない子もいますけど、学校が早く終わって来られる子は毎日来ています。グラウンドには毎日誰かしらコーチがいるようにしています。
――土日はどれくらい練習をしていますか?
都築 土日は小学部が先に練習している場合は10時から、試合や大会などでいない場合は9時から練習をしています。大体18時頃までやっています。
――新チームの部員数は何人でしょうか?
都築 新チームは1、2年生合わせて78名です。この時期は必然的に2年生がAチーム、1年生がBチームになります。
――ちなみに月謝は小学部と中学部で違うのでしょうか?
都築 月謝は小学部が1万2千円、中学部が2万円になっています。中学部の方が練習回数が多くなりますから少し多くいただいています。
――小学部と中学部で指導方針、理念などは異なるのでしょうか?
前田 小学部と中学部もチームの指導方針、理念は基本的には変わりません。礼儀、挨拶などのいわゆる「人間教育」を重視されるチームもあると思いますが、僕はそれは野球をやる以前に当たり前のことだと思っていますので、うちのチームでは「人間教育」が第一ではありません。第一は「野球」そのものです。野球の根本的な部分、つまり「打つ」「投げる」「捕る」「走る」という動作の中で、自分の体をこうやって動かすとボールが飛ぶようになるよ、スイングスピードが上がるよ、ストライクが取れるようになるよ、など、野球で一番重要な技術の部分の指導に力を入れています。野球をやろう、野球を覚えようという方針です。これは都筑中央ボーイズで小・中一貫して変わりません。
都築 あとは、中学部は高校野球への準備期間という位置付けにもなりますから、小学部よりも体力強化に力を入れていますね。週1回2時間ほどフィジカルトレーニングも行っています。
――小学部の子どもたちの多くがそのまま中学部に上がるのでしょうか?
前田 小学部からは半分くらいが中学部に上がります。グランドまで通うのが厳しいという距離的な問題で中学部に上がらない子も多いですね。ちなみに中学部で初めて硬球に触れるという子どものほうが多いんですよ。
都築 うちのチームではスカウティングを行っていないので、小学生時代に騒がれていた子どもとかは一人もいないんですよ。みんな中学部で叩き上げられています。
前田 うちはセレクションもやらないですから。先着順、早い者勝ちです(笑)。
――中学から初めて硬球に触れる子は肩や肘を壊したりする心配はありませんか?
前田 軟式をやっていのか硬式をやっていたのかに関わらず、全ての1年生に気を配るようにしています。中学生のはじめのうちはどうしてもボールを数多く投げたがるので、球数であったり練習メニューであったりというのは非常に気をつけています。特にピッチャーだと変化球を投げたがったりしますから、その辺は常に気にかけています。
――前回に小学部を取材させていただいた時に「中学部では(みんな強豪校への進学を目指しているので)少し厳しくなります」という話を伺いましたが、小学部同様に非常によい雰囲気で練習されていましたね。
前田 小学部に比べて中学部は質と量という面で厳しくなりますね。本当は一番厳しくやらないといけない時期は、引退した中3の夏から卒業までの期間なんです。練習をやらない子が多くなってしまいますから。ですからうちのチームでは、今日も3年生が朝グラウンドに来ていましたが、卒業までしっかり練習させるようにしています。そういう面では小学部よりも厳しいですね。
――中学年代の指導で大切なことを一つ挙げるとすると何でしょうか?
前田 さらなるプレーのスピードアップ、動きの切れ味を追求することですね。今の子たちは9割くらいの力で止めてしまうことが多いように思います。例えば、投手であれば投内連携の練習で自分の今持っている10割のプレーで臨んでみて、スピードも動きのキレもあるいいプレーができたとします。「よしできた!」とそこで立ち止まらず、じゃあ次はもっと早くプレーできるようにしてみよう、その次はもっともっと早くできるようにしてみようと、「今までの中で一番早いプレー、一番キレのある動き」を常に目指して、それを毎回更新していくことですね。
――新チームが始動して間もないですが、新しいチームはまずどの部分から作って行くのでしょうか?
前田 新チームではまずピッチャーから作っていきますが、目指すチームは「打って勝てるチーム」です。ですからバッターではまずバットを振れるようになることを求めます。この時期は守備には少々目を瞑り、守備力よりも打力を重視してチームを編成します。それは、その年々の選手の個性を見てからその年のチームカラーを決めていくということではなく、都筑中央ボーイズとして一貫して「打って勝てるチーム」を目指しているからです。監督が日大三高OBなのでそのはずです(笑)。
都築 そうですね(笑)。目指すところは打って勝てるチームですね。バントが上手くても強豪校からはなかなか声がかからないと思いますから、子どもたちにもまずはとにかくバットを振る力をつけさせるようにしています。
――それでは今後のチームの目標を教えてください。
前田 夏に勝ててないので夏に勝たせてあげたいですね。でも、僕は監督に「勝て」とは言っていないんです。もちろん、試合に勝てば選手もお父さんもお母さんも喜びますから、そこは目指していますけども、試合に勝つということ以前に、「野球の練習をしっかりやって野球を覚えよう」というところが大前提、スタートだと思っています。ですから練習のやり方でも、ボールの追い方、捕り方、キャッチボールの仕方から、こうやってやるものというのをしっかりと子どもたちに教えて、大事にしたいと思っています。最終的には子どもたちに「ここで野球を習って良かった」と思ってもらえるような3年間にしてあげたいと思っています。
都築 高校野球で通用する力を身につけさせたいですね。やるからには勝つこと、優勝することをもちろん目指しますが、中学で全国制覇することよりも高校野球で全国制覇する方がもっと大変なことだと思います。ですから、目先の勝利よりも子どもたちの能力を伸ばしてあげたり、高校で必要なことを教えていきたいですね。(取材・写真:永松欣也)