私は選手に「1日も長く野球を続けて欲しい」と願って指導しています。
本人が「他にやりたいことが見つかった」と野球以外に活躍の場を求めることは悪いことではありません。その時は新しいことを頑張れば良いと思います。しかし故障などで「野球を続けたいのに続けられない」という状況だけは避けないといけません。
故障を回避するためには技術や体力も大事ですが、もっと大事なことは
「身体のストレスを感じ取る感性」だと思います。
野球指導者はいろんなレベルの人がいます。
今では中学硬式野球チームに元プロ野球選手の指導者もたくさんいます。選手が高校に進学した時、「中学時代よりもレベルの低い指導者」に出会う可能性もあります。中学時代には理想的なフォームで投げていたのに、高校で違うことを教わり、それが故障に発展することもあり得るのです。
故障に至るような動作は、身体に何らかの「ストレス」がかかります。
「ボールが重たく感じる」「身体に変な張りが出る」などのストレスを素早く感じ取り、ストレスを回避するような動作を取らなければ、その選手はかなり高い確率で故障します。つまり「自分の身は自分で守らなければならない」のです。
私は投手出身ですが、投手は本来、相当な球数を投げられると思います。だからと言って200球とか投げさせたりはしません。ほとんどの選手が「身体に対するストレス」「動作の乱れ」などに気づかないからです。
日々の練習で対話を重ね、動作の乱れやストレスを感じ取らせる訓練をさせながら、少しずつ球数を増やしていきます。自分で感じ取る感性を身につけさせるためです。頭ごなしに「こうやって投げろ!」と命令ばかりしていては動作は身についても感性は身につきません。丁寧に「今の投げ方はボールが重く感じなかったか?」「今投げたボールは抜けたような感じはなかったか?」などの質問をしながら選手の感性を形成するような指導をしています。私の言うことに忠実であることよりも「身体のストレスを自分で感じ取る感性を磨くこと」の方が数段大事なことだと思うからです。
私の息子は高校で投手をしています。
自主練習で友達に頼まれて打撃投手を引き受けることが多いようですが、数百球投げても「どこも痛くなることはない」と言います。彼なりに「身体のストレスを感じない投げ方」を身につけているからだと思います。恐らく「ボールを投げること」に関しては高校時代の私よりも数段高いレベルの技術を有していると思います。
未熟な指導技術で投手を潰してしまう指導者もいます。だからこそ選手は「自分の身体は自分で守る」と言う意識を持たなければなりませんし、長くプレーできる選手を育てるためにはそんな感性も育まなければならないと思います。
「指導者の罵声によるストレス」に耐えても自分の身体は守れません。
Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」
https://www.facebook.com/baseball.knowledge
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。
本人が「他にやりたいことが見つかった」と野球以外に活躍の場を求めることは悪いことではありません。その時は新しいことを頑張れば良いと思います。しかし故障などで「野球を続けたいのに続けられない」という状況だけは避けないといけません。
故障を回避するためには技術や体力も大事ですが、もっと大事なことは
「身体のストレスを感じ取る感性」だと思います。
野球指導者はいろんなレベルの人がいます。
今では中学硬式野球チームに元プロ野球選手の指導者もたくさんいます。選手が高校に進学した時、「中学時代よりもレベルの低い指導者」に出会う可能性もあります。中学時代には理想的なフォームで投げていたのに、高校で違うことを教わり、それが故障に発展することもあり得るのです。
故障に至るような動作は、身体に何らかの「ストレス」がかかります。
「ボールが重たく感じる」「身体に変な張りが出る」などのストレスを素早く感じ取り、ストレスを回避するような動作を取らなければ、その選手はかなり高い確率で故障します。つまり「自分の身は自分で守らなければならない」のです。
私は投手出身ですが、投手は本来、相当な球数を投げられると思います。だからと言って200球とか投げさせたりはしません。ほとんどの選手が「身体に対するストレス」「動作の乱れ」などに気づかないからです。
日々の練習で対話を重ね、動作の乱れやストレスを感じ取らせる訓練をさせながら、少しずつ球数を増やしていきます。自分で感じ取る感性を身につけさせるためです。頭ごなしに「こうやって投げろ!」と命令ばかりしていては動作は身についても感性は身につきません。丁寧に「今の投げ方はボールが重く感じなかったか?」「今投げたボールは抜けたような感じはなかったか?」などの質問をしながら選手の感性を形成するような指導をしています。私の言うことに忠実であることよりも「身体のストレスを自分で感じ取る感性を磨くこと」の方が数段大事なことだと思うからです。
私の息子は高校で投手をしています。
自主練習で友達に頼まれて打撃投手を引き受けることが多いようですが、数百球投げても「どこも痛くなることはない」と言います。彼なりに「身体のストレスを感じない投げ方」を身につけているからだと思います。恐らく「ボールを投げること」に関しては高校時代の私よりも数段高いレベルの技術を有していると思います。
未熟な指導技術で投手を潰してしまう指導者もいます。だからこそ選手は「自分の身体は自分で守る」と言う意識を持たなければなりませんし、長くプレーできる選手を育てるためにはそんな感性も育まなければならないと思います。
「指導者の罵声によるストレス」に耐えても自分の身体は守れません。
Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」
https://www.facebook.com/baseball.knowledge
著者プロフィール
著者:廣川寿(ひろかわひさし)愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。