ニュース 2018.05.31. 16:57

『表現すること』よりも『感じること』

無断転載禁止
野球は「投げて」「打って」「走って」・・・。

プレーする事で自分の技術や考えを「表現」します。
より高い表現力を持った選手が優秀な成績を残し、そんな選手が多数いるチームが勝利を掴む。
そんなスポーツです。

だからグラウンドでも「表現すること」を指導されます。
もちろん上手くなりたいから練習するわけで「表現力を磨くこと」は正しいと思います。
私も技術指導はします。
動画などの充実により、指導者の技術指導スキルも高まっているように思います。

しかし一方で、「最近の子は野球を観ない」という声をよく聞きます。
私が子どもの頃よりも学童野球で肩肘の故障は増えているようにも思います。
「表現すること」が磨かれる一方で「他人のプレーから学ぶ」「自分の身体の悲鳴を察知する」といった「感じること」が弱くなっているのでは?と思う時があります。
「感じる」ってとても大切なことだと思います。

「感じる」は

(1)能動的な情報収集(=アンテナを張る)
(2)思考・仮説構築
(3)積極性(先手を打つ)

などに通じます。
「感じる力」が弱い人は野球に限らず対応が後手に回ったり、成功確率の低いことに手を出してしまうことがよくあります。

「球が速い」という優れた表現力を有していても「相手が速球に強い」という感じる力が弱ければ打たれてしまうのです。
だから、野球指導者は「表現力」だけでなく「感じる力」が育まれるような指導をしなければならないのではないか?と思います。
感性の強い子は「肘が下がっている」といった技術的な不調にも自分で気づいて修正します。
その結果、自分の力で故障を回避できているように思います。

「感じる力」は「表現力」にも通じます。


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著者プロフィール

著者:廣川寿(ひろかわひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


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