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盗塁は「投手・捕手・遊撃手(二塁手)」で防ぐ【デキる選手を育てる方法】
【習得レベル:★★★★☆】
甲子園優勝校を追い詰めた元高校野球監督が「お父さんコーチ」になって考えた、デキる選手を育てる方法! 第13回目は盗塁への対応についてです。盗塁を刺す、防ぐためにできることはキャッチャーが強いボールを投げるだけではありません。
まだ投球・送球・捕球が未熟な学童野球において、盗塁はかなり頻繁に行われる戦術です。特に守備側ではその防ぎ方について苦悩されている指導者も多くいると思います。
まず考えたいのは、バッテリーをはじめとする関係ポジションでのプレータイムの短縮です。
[攻撃側]一塁走者がリードからスタートして二塁ベースに到達するタイム
[守備側]投手がモーションを起こして投球し、捕手が捕球してから二塁送球し、遊撃手(二塁手)がタッグするまでのタイム
盗塁とはこの二つのタイムの競争です。
指導者は捕手の肩に注目しがちですが、あくまで投手、捕手、遊撃手(二塁手)の3人それぞれのプレータイムを縮めることによって防ぐ可能性を作り出すことが求められます。肩の強さ、球速以外で改善できる部分としては以下の4つが挙げられます。
① 投手のプレータイム
・足を上げてからリリースまでを速くする。そもそも足を上げないで(足の揚げ方を工夫して小さくして)並進運動する。つまりクイックの練習です。

・セットしてから投球動作に入るまでの間合いを変えて走者がスタートを切るためのリズムを一定にしない。

② 捕手のプレータイム
・できるだけバックハンドで捕球する。

・捕球してからのステップの歩数を減らす。できれば捕球時に左足を踏みこんで、すぐに右足をステップできる準備をしたい。


・送球は山なりでもノーバウンドの方が二塁到達タイムは速い。ただし、ワンバウンド送球のほうがタイムは遅いが正確性に勝る。どちらが良いかは状況による。

③ 遊撃手(二塁手)のプレータイム
・普段グラブは下から上に使えですが、タッグに関しては上から下に使いながら捕手からの送球を受けるとタッグが速い。


・タッグ時には二塁ベースの前(走者の足とベースの間)にグラブを置け、というのがセオリーだが、捕手からの二塁送球が一塁側に逸れた場合はそのままボディタッグの方が速い場合がある。

④ 牽制における一塁手のタッグについて
・牽制を待つ姿勢として、まずは投手と正対して悪送球に備える。タッグしやすいボールが来た時は半身になってバックハンドで捕球するようにする。

・牽制球がタッグしやすいベース付近に送球された場合、捕球してからタッグに移るのではなく、できるだけバックハンド(右利きの場合)でタッグするベースの近くまでミットを引いて捕球したい。捕球自体がタッグになるイメージ。

間違えてはいけないのが、カテゴリーが上がる毎に投・捕の技術や球速、プレー精度が圧倒的に上がるため、高校野球では学童に比べて盗塁は極端に減ります。「ヨーイドン!」の盗塁は基本的にアウトだからです。ですから、学童では「捕手の肩だけでなく、トータルタイムを速くする」ことによって走者と勝負するという概念を理解して練習することが大切で、成長につながると思います。
番外編 【抑止力】
攻撃側にとって盗塁失敗は非常に大きな痛手です。ですので、「アウトになるかも知れないな」と思わせることは盗塁を仕掛ける企画回数を減らすことができる抑止力になります。
そのためには、イニング間の捕手の送球がキチンと二塁ベースに正確な送球がされてプレーが完結することが大切です。投球を受けてから素早く握り替えて投げることも大切ですが、あくまでイニング間ですから捕球してから一度止めて、しっかりとステップしてから送球するのもアリです。
また、盗塁されたとしても同じようにプレーが完結していると、攻撃側はスタートが遅れるとアウトになるな、という警戒感が生まれます。
盗塁されたらどうするかだけでなく、上記のような盗塁を企画されないような動きも大切になります。
伊豆原真人(いずはら・まさと)
野球指導者。高校数学科教員。令和4年12月で神奈川県立川和高校野球部監督を降りて令和5年4月に異動。現在は長男野球部の保護者としてサポートしながら幼小学生〜大学社会人まで幅広く指導中。高2、中1、小3の球児の父親。
