- BASEBALL KING
- ヤキュイク
- チーム紹介
- 子どもが野球をやりやすい環境を第一に考える|オール松戸スターズ
- チーム紹介
子どもが野球をやりやすい環境を第一に考える|オール松戸スターズ
今年1月に千葉県松戸市で産声をあげた学童野球チーム「オール松戸スターズ」。ヤキュイクでも以前に取材した「小金原ビクトリー」で長らく監督を務めていた高橋雄太監督が新たに立ちあげたチームになる。活動は基本的に土・日の9時〜16時で月謝は2000円。結成半年ながら22人の子どもが集まっている。少年野球人口が減っている時代にあって、子ども達が集まるチームはどんなチームなのだろうか?
<大人からの一方通行にならないように>
取材に訪れた日の午前中は近隣チームとの合同練習が行われていた。「せっかくの合同練習なんだから」と高橋雄太監督が促し、子ども達は別チームの子達とキャッチャボール。オール松戸スターズでは片膝を突いた状態で投げたり、投げ終わった後に前足の股関節に体重をのせるように投げたり、色んなバリエーションの投げ方を取り入れているが、この日初めて一緒に練習をするチームの子達には分からない。そこで「○○、説明して教えてあげてー」と高橋監督が高学年の男の子に指示。照れながら説明する男の子に「えー! それで分かるー?」という監督からの冷やかしの声に、少し緊張していた両チームの子ども達の表情が一気に緩んだ。

練習は高学年と低学年に分かれて行われたが、前回取材した『エンジョイベースボール春日部』もそうだったように、このチームも低学年の子ども達がとても楽しそうだった。
プラボールを使った紅白戦では、良いプレーにはコーチ陣が「ナイス判断だ!」と大げさなくらいに褒める姿や、「この場面ではなんでタッチが必要になると思う?」「ランナーが1、2塁にいるよね? ボールが飛んできたらどうする?」などと都度プレーを止めて子ども達に問いかける姿があった。一方通行でルールやセオリーを教えるのではなく、小さな子ども達に考えさせる。根気の要ることだが、「野球」の入口に立ったばかりの子達には大切なアプローチではないだろうか。

こうしたことは、チームとして意識して行っていることの一つだという。
「大人からの一方通行にならないように、子ども達が自分たちで考えて、指導者に質問ができるような雰囲気、環境を作っていこう。そういうことを常にコーチ陣で共有しています」(高橋監督)
<少しのきっかけで子どもは大きく変わる>
高学年チームの練習で印象的だったのがマシンの1箇所バッティング。子ども達が数球ずつ打って交代していくなかで、なかなかバットに当たらない子がいた。その子は恥ずかしさもあったのか、ようやくバットにかすってファウルチップを1球打つと「ありがとうございました」とバッターボックスを出ていこうとした。その様子を見ていた高橋監督はその子を呼び止め、その子の背後からバットを握って一緒にマシンのボールを打った。「タイミングが少し早い」と指摘を受けた男の子は、一緒にバットを振りながら少しずつバットに当たるようになった。
暫く他の練習を見学してから再び高学年チームの1箇所バッティングに戻ってみると、さっきの男の子が快打を連発していて驚いた。少し見られた恥ずかしげな様子はもうなく、どこか堂々と自信に溢れているようにさえ映った。

もしもあのとき、バットに当たらないまま打席を出ていたら「恥ずかしいから人前でバッティングはしたくない」という気持ちのまま、この子は練習を終えていたかもしれない。
「ボールをよく見ろ!」と口で言われても直ぐに修正できない子もいる。マンツーマンで教えてもらったことで、この子は「何か」を掴んだのかもしれない。少しのきっかけで子どもは大きく変わるものなのだと、改めて思い知らされた。
