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あれ、熱中症かも? そのとき現場でとる救急車の判断基準と「#7119」
万が一、大切な選手や我が子が倒れたとき、私たち大人は何を基準に判断し、どう動くべきか? 熱中症対策の第一人者である救急専門医・三宅康史先生による命を救う応急処置を紹介します。グラウンドで白球を追う子供たちは、大人の感覚よりも「プラス7度」高い、実質42度近い酷暑環境に晒されています。
<白球を追う子どもたちは42度の世界>
令和7年(2025年)、熱中症による救急搬送者数は調査開始以来最多の10万510人を記録しました。5月から9月にかけて、かつてない厳しい暑さが長期間続いたことが要因です。救急車の出動件数は激増しており、医療機関は圧迫されています。現場での適切な判断が、本当に救える命を救うことにつながる時代。2025年6月からは職場やスポーツ現場での対策が「義務」として課せられる時代になっています。野球のメイン大会と重なるシーズン。今まで以上に現場の大人たちが子どもを見守り、異変に気付き、瞬時に対応する行動が求められています。
大人が「今日は35度か、暑いな」と感じているとき、グラウンドで白球を追う子どもたちは42度の世界にいます。サントリービバレッジ&フード(株)の調査によれば、子どもは大人より背が低いため地面からの照り返しを強く受け、体感温度は大人の位置より「プラス7度」も高くなるというデータがあります。大人の感覚で「まだやれる」と判断することは、子供を危険にさらすことと同じです。

もし選手が倒れたとき、判断を迷わせてはいけません。三宅先生は、最も重要な判断基準として「意識の確認」を挙げます。
・呼びかけに反応がおかしい。
・返答が要領を得ない。
・意識が朦朧としている。
このような症状がある場合、熱中症だけでなく脳卒中や心筋梗塞の可能性もあります。三宅先生は「意識がおかしいと思ったら、ためらわず救急車一択でいい」と断言しています。
<迷った時の「#7119」>
「救急車を呼ぶほどではないかも」と迷う場合は、救急安心センター事業「#7119」へ電話してください。専門の医師や看護師が、今すぐ受診が必要か、どう応急処置をすべきかをアドバイスしてくれます。
熱中症対策はもはや努力義務ではなく、2025年6月からは法令でも義務化されています。指導者や保護者の「声かけ」と「正しい知識」が、選手の命を守る盾となります。チーム内で情報を共有し、この夏の実践に役立ててください。
■三宅康史 /救急専門医、熱中症総合研究所所長
「熱中症対策声かけプロジェクト」シンポジウムの実行委員長を務め、全国の自治体やスポーツ現場、企業へ向けてコンビニのロックアイスを活用した応急処置「FIRE」などの実践的な救急措置の普及に尽力している。著書に「医療者のための熱中症対策Q&A」「現場で使う熱中症ポケットマニュアル」など多数。

(取材・文・写真:樫本ゆき)
