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甲子園6度出場の佐々木力監督(郁文館)に聞く、今と昔の子の違い、中学生を見るときのポイント

これまで目立った実績のなかった郁文館高校野球部(東京都文京区)。だが2024年1月に常総学院で春夏合わせて6度甲子園出場の実績を誇る佐々木力監督が就任。進路を選ぶ中学生球児達にとっても注目の存在になり始めている。そんな中学生球児のために、ヤキュイクでは佐々木監督に中学生を見るときのポイントや郁文館高校野球部の良さなどを聞いた。


<1年生は技術以前にまず体力が必要

——今の時代の子ども達と昔の子達との違いをどんなところに感じますか?

野球に夢を持っている子が少ないと感じます。「絶対プロになってやる!」「東京六大学でやるんだ!」とか、そういう気持ちで野球部に入ってくる子が少なくなったように思います。
私の高校時代は「甲子園に出ると人生が変わんだぞ」なんていう話を木内さん(幸男/元取手二、常総学院監督)がよくしてくれていたんです。「お前等を甲子園に送るために俺が金メッキをかけてやっから」とか言って(笑)。
そうやって送り込んでもらって、実際に活躍してプロに行ったり、六大学にいったりしていました。でもこの子達はまだ全国的な強豪チームに勝てていないので、そこまで語れる夢がないというか、自信もまだないんでしょうね。

——そういう野球の欲がない子、自信がない子を預かる上で、意識していることや工夫されていることはありますか?

強豪校と練習試合を組んだりして少しずつ勝つことを経験させたり、こうやってメディアの方に取材をして取り上げてもらったりとか、そういう経験を重ねることで「ようし! やってやろう!」という気持ちになってくるのではないかなと思います。

——昔と比べて子どもの技術面で思うところはありますか?

ピッチャーに関しては昔よりもレベルが上がっているなと感じます。ただ体力がなくてへばるのが早いですね。1年生が高校で1試合投げたらヘロヘロになってしまいます。だから1年生は入学してきたら技術以前にまず体力をつけさせないといけません。
常総学院時代の教え子である鈴木昭汰(現ロッテ)はU15でも投げていましたけど、体も細かったですから、秋までは球数を決めながら無理をさせませんでした。
郁文館にも1年生に良いピッチャーがいますが、練習試合でも50球しか投げさせませんし、次の日もケアにあてさせたりしています。そうやって壊さないように注意しています。ナンボ技術があって上手い子が入ってきても、やっぱり体力がないですから慎重に使わざるを得ないですね。

——中学生を見るときはどんなところをチェックしていますか?

ピッチャーだったら変化球の出し入れができるかどうか。球が速くてもコントロールが悪いと、コントロールがつけられるようになるまで時間がかかりますから。まずは体が細くてもいいから、ある程度のコントロールの良さと変化球の精度を見ますね。体は高校に入ってから補食とかトレーニングなどで大きくすることはできますし、体ができたらストレートは速くなりますから。

——野手はどこを見ますか?

野手は足首と股関節の柔らかさですね。そこが固いとキャッチャーはブロッキングが遅くなりますし、内野はどうしても(腰高で)ボールを上から捕りにいってしまいます。だから寮でも股関節を柔らかくする器具があるので、風呂上がりにさせるようにしています。年々子ども達の体は固くなっているように感じますね。
あとはキャッチボールがしっかりできること。それと投げる時に肘から先の使い方が柔らかさ。それがあるとバッティングも良くなりますから。