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熱中症になりやすい人の特徴|熱中症を科学する

8月後半とはいえ、厳しい暑さが続くこの時期。野球を頑張る子ども達に対しては、まだまだ熱中症への注意が必要です。今回は『熱中症を科学する スポーツの現場から見た、選手を守る最新の暑熱対策』(竹書房)から、「熱中症になりやすい人の特徴」についての箇所を抜粋して紹介します。


熱中症になりやすい人の特徴

熱中症を起こしやすくする主たる要因として、その人自身の行動などが原因となって発症する場合と、外的な要素が原因となって発症する場合の2つのパターンが挙げられます(図表⑧)。

① 内的要因(その人自身の問題)
・熱中症の既往(経験)がある
・肥満傾向(体内に熱がこもりやすい)
・睡眠不足(睡眠不足で体のリズムが乱れ、体温調節機能がうまく働かなくなる)
・日焼け(体が熱を持ち、体温が下がりづらくなる)
・体力レベルが低い(暑さへの耐性も低い傾向にある)
・不十分な暑熱順化(汗をかきにくい体質のため、体温が外に出ていきづらい)

② 外的要因(その人以外の問題)
・気温、湿度、日光(熱産生が増える)
・ユニフォームや防具(体内に熱がこもりやすい)
・指導者や親からのプレッシャー(緊張性発汗が増える)
・指導者の熱中症に対する認識不足(危険発見が遅れる)

ここに示したそれぞれの要因をしっかり押さえておけば、熱中症は予防できます。

夏の甲子園などで足が攣った選手をよく見かけますが、筋肉量の多い人も熱中症になりやすいといえます。筋肉を動かすためには、ミネラル(ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムの4種)が必要です。筋肉の量が多ければそれだけミネラルも補給しなければなりませんが、試合中などに補給が間に合わなくなると、「筋けいれん」という症状となって表れるのです。そういった理由から、筋肉量の多い人は運動時に一般の人よりも多くのミネラルを補給すべきだといえます。

また、子どもと大人の発汗機能の違いも、みなさんに理解しておいてほしい大きなポイントです(図表⑨)。子どもの発汗機能は未発達なため大人より発汗量が少なく、その差は多くの汗をかく必要がある条件のときほど顕著になります。子どもは発汗能力で劣るぶん、頭部や体幹部の皮膚血流量を大人より増加させて熱放散を促進しようとする特性を持っています。運動をした子どもの顔が真っ赤になりやすいのは、そういった理由からです(思春期を過ぎると、成人に近い発汗量に近づきます)。

さらに、子どもは身長が低いので輻射熱の影響を大人より受けやすいことも、熱中症になりやすい要因として挙げられます。大人の感じている体感温度と、子どもの感じている体感温度は違うことを理解しておくことも大切です。

<まとめ>

熱中症を起こす要因は、内的なものと外的なものに分けられます。熱中症を防ぐには、それぞれの要因をしっかり理解しておくことが大切です。また、子どもも熱中症になりやすい要因をいくつか持っているので、大人はそれも理解しておきましょう。

詳しくはこちらから

『熱中症を科学する スポーツの現場から見た、選手を守る最新の暑熱対策』(2025/5/29 発売)
笠原政志 (著), 清水伸子 (著)
竹書房