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- 中学野球引退後の半年間を、高校野球で通用する準備期間に|MAKE PROGRESS
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中学野球引退後の半年間を、高校野球で通用する準備期間に|MAKE PROGRESS
東京・埼玉・千葉などのエリアを拠点に活動する『MAKE PROGRESS』は、クラブチームの活動、部活動を引退した中学3年生を対象に、高校野球へ向けた準備とスキルアップを主な目的として活動している育成会。大学・社会人野球OB、元プロなどの実績のあるコーチ陣が指導を行っている。活動の現場に足を運んでみた。
<軟式出身の子に注意を払う>
『MAKE PROGRESS』は今年で立ち上げ3年目。例年、7、8月に何度か行われる体験会を経て、9月から3月まで、土・日の月4回、活動を行っている。
取材に訪れたこの日は今年の活動1回目。体験で訪れた選手も含めて22人が参加した。練習に参加できなかった選手も含めると既に30人の高校球児予備軍が集まっている。その多くが硬式チーム出身で、軟式チーム出身の子は8人ほど。
「発足当初は軟式出身の子どもたちが硬式に慣れるためという目的だったのですが、実際に募集をしてみると硬式の子の方が多かったですね」
そう話してくれたのは、高校野球の監督経験を持ち、コーチングディレクターを務める諸星邦生さん。
練習はトレーナー指導のもと、ウォームアップ、ストレッチを約1時間。その後は走塁、キャッチボール、ペッパー、ノック、フリーバッティングなど、たっぷり4時間行われた。
キャッチボールでは、軟式出身の子は別メニュー。硬球に慣れることも大きな目的であるため、硬球に慣れている選手と同じ強度では行わないように注意が払われている。
<「全員内野ノック」で選択肢を広げる>

ノックでは、この日は内野と外野に分かれて行われていたが、基本的には全員が内野の練習を行う。所属チームでのポジションにかかわらず、内野での捕球、送球、動きをこれからの半年で身につけておくことで、高校でプレーの選択肢が広がるからだ。
ノックで気になったのは、ノッカーが強いボールは打たないこと。強いボールを数多く受けた方が練習を「やった感」は残る。だが1試合で自分のポジションに飛んでくる打球は数球であり、そのうち強い打球は何球もない。それであれば、緩い打球を基本に忠実な動作で捕球する練習を繰り返した方が技術の向上につながる。また、強い打球を捕ろうとすると基本的な動きが蔑ろになるという弊害もあるからなのだそうだ。グラウンドで内野ノックが行われているとき、グラウンド脇では4人ずつ、2箇所のマーカーを回ってコーチが手で転がしたボールを捕球、ネットスローするドリルが行われていた。これを5分×2本、休む間もなく行う。これは足を使ってボールを正面で捕る基礎練習。当然キツい。高校野球をにらんでの体力強化の意味合いも当然ある。
<高校野球の〝所作〟もきちんと教えて送り出す>

バッティング練習では、3班に分かれて、フリーバッティング(2箇所)、ティーバッティング(2箇所)、体幹トレーニングを行い、20分ごとにローテーションで行われていた。
ティーバッティングでは、コーチが「今日はどういう点を意識して打つの?」と選手に問いかける場面が見られた。
「逆方向に引っ張る意識で、強い打球を打つことを意識して打ちます」
「それはどうして?」
「自分はいつも——」
選手はそんなふうにコーチと対話を行う。そうすることで漠然と練習に取り組むのではなく、目的と意図を確認してから練習に取り組むことができる。またコーチに問われることで、自分の中で考えていたことをきちんと言語化し、相手に伝える訓練にもなる。これも高校野球を意識しての取り組みの一つだ。
フリーバッティングに目を移せば、練習が始まる際にコーチが「バッティング、1班目―!」と選手に大きな声を出させていた。
これに対して他の選手の反応が薄いとやり直し。
「『フリーバッティング、1班目ー!!』って言ってくれているんだから、みんな何ていうの? はい、もう一回」
今年初めての練習、顔見知りも少ないなかで恥ずかしさと遠慮が見え隠れしていた選手たちは、少し照れながらも「うぉーい!!」と次からは大きな声を出していた。
「技術はもちろん教えます。でも技術、体力だけではなく、挨拶や返事はもちろん、練習前の準備、片付けとか、そういう高校野球をやる上での所作のようなものも、きちんと教えて送り出したいと思っていますから」(諸星)
このような考え方ができるのも、高校野球の監督経験者ならではかもしれない。(取材/写真:永松欣也)
(後編に続きます)
