「クラムジー」って一体なに?
クラムジーという状態を知っておこう
クラムジーは英語で「ぎこちない・不器用な」といった意味があり、スポーツ現場においては成長段階における一時的な運動能力の低下を指します。劇的に身長が伸びる成長期に起こりやすく、スポーツ現場では成長に伴う膝痛(オスグッド病)が見られたり、身体と感覚のバランスが崩れて、今までできたプレーができなくなってしまったりといったことが起こります。
男子では一年間で身長が10〜15センチほど伸びることも珍しいことではありませんが、体の成長に対して神経的な適応が追いつかず、「体を持て余した状態」であるとも言えます。
身長が伸びると今まで見えていた視点が高くなってしまいますし、投げる、打つといったプレーも足や手の長さが変わればバランスが崩れ、今までできていたものができなくなるといったことも起こります。
体の成長に感覚が追いつくのをあせらずに待つ
今までできていたことができなくなると、その原因を練習不足に求めたり、自分自身を責めたりしがちですが、成長期のアスリートには少なからずこうした身体的なスランプ時期があるということを覚えておくだけでも、少し心が軽くなると思います。こうした状態は一時的なものであるため、体力レベルにあった練習を続けているとそのうち感覚が追いつき、よりよいパフォーマンスができるようになります。
また成長期は骨の成長が著しく、筋肉が遅れて成長するため、体が硬くなりやすいこともその特徴として挙げられます。
体の変化によってプレーにも変化が現れるのは自然なことですので、過度に練習不足やコンディショニング不足を責めることなく、できることをコツコツと行いながら感覚が戻ってくるのを待ちましょう。
少年野球にたずさわる指導者や保護者の方にはぜひこの「クラムジー」というスランプ時期のことを知ってもらい、戸惑っている選手たちに温かいアドバイスとサポートをお願いしたいと思います。
著者プロフィール
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。