前回(「高校入学までに中学球児が準備すべきこと|ボールの違いと体力」)、高校入学後に必ずぶつかる「ボールの違い」についてお話を伺いましたが、今回は「バッティング技術」について伺いいました。塾長は「正しい技術さえあれば、高校1年春から活躍できる」と話します。
「打撃の理論、考え方は人によってもちろん様々ですが、私が思う最後に行き着いた究極の打撃の答えは『究極の脱力から生み出す自然現象に委ねる打撃』です。打ち損じの原因は様々な原因がありますが、その原因の大半は力みです。様々な要因も突き詰めればそれは力みにつながっていきます。その力みを起こさない為にやるべき準備と動きがいくつかあります」。
打撃で大切だと言われる「準備」、「始動」。やるべき準備と動きが出来た時に、初めて必然的に理想の形は出来上がっていくと塾長は力説していました。その中で、基本的なポイントを4つ挙げてもらいました。
(2)たち遅れないタイミング・・・「1、2ィ~、3」のタイミングで「2」の取り出しを遅れない。
(3)初動の場所と向き・・・手で操作するのではなく、腰を回す。
(4)インパクトの意識・・・(1)~(3)の動作の流れで行う、手首の返し。ヘッドの立て方。
このポイントを柱に、選手ひとりひとりの特性を見て、その選手に合った技術を教えているそうです。中学2年のある選手は「打つ時に『左の側筋をねじる』と教わってピンときました。落ちてくるボールを下からすくい上げて打ったら、試合で外野手の頭をオーバーする打球が打てるようになりました」と目を輝かせて話してくれました。
メジャーリーグの「フライボール革命」や、今季パ・リーグで本塁打王(47本)になった西武・山川穂高選手の打撃のように「ボールを上から叩けばゴロにしかならない。フライを打たなければホームランは生まれない」という考えが周知されてきているようにも思えます。
塾長も「ゴロはいらない。極端に伝えた方がいい選手には『アッパースイングでいいから下から打て』と言っています。ゴロを打って、相手のミスを期待するような選手にはなってほしくないんですよね」と将来を見据えた指導をされています。
試合で結果を求めると、自分の打撃ができなくなるものです。また、チームバッティングに徹するとき、ホームランを狙えない状況に追い込まれる時もあります。だからこそ「試合のない時期に正しい形を身につけて、春を迎えてほしい。秋~春の間は野球が上手くなれる絶好のチャンスなんです」と塾長は話します。
「『オフシーズン』と言っていいのは、技術を確立したプロだけが使える言葉です。冬はたっぷり練習する時間がある。ライバルに差をつけられるチャンスは冬です。しっかり練習して、同じぶんだけケアもしてください。春の一発目の試合で打撃で大爆発できるように、しっかり準備をしてください」。
「高校野球はまだまだ先」と思ってのんびりしていると、来春に筋力の衰え、技術のブランクで泣くことになるかもしれません。軟式の選手も、硬式の選手も、しっかり準備をして春からのスタメンを勝ち取れるようにがんばりましょう。(取材・写真:樫本ゆき)
取材協力
BALLHOUSE(http://ball-house.com/)
HORYGROUND(http://www.holyground.jp/)
「打撃の理論、考え方は人によってもちろん様々ですが、私が思う最後に行き着いた究極の打撃の答えは『究極の脱力から生み出す自然現象に委ねる打撃』です。打ち損じの原因は様々な原因がありますが、その原因の大半は力みです。様々な要因も突き詰めればそれは力みにつながっていきます。その力みを起こさない為にやるべき準備と動きがいくつかあります」。
打撃で大切だと言われる「準備」、「始動」。やるべき準備と動きが出来た時に、初めて必然的に理想の形は出来上がっていくと塾長は力説していました。その中で、基本的なポイントを4つ挙げてもらいました。
ボールの下にバットを入れて、フライを打つ練習
【悟塾の打撃ポイント4つ】
(1)形と意識の準備・・・左肩をロックして、壁を作る。(2)たち遅れないタイミング・・・「1、2ィ~、3」のタイミングで「2」の取り出しを遅れない。
(3)初動の場所と向き・・・手で操作するのではなく、腰を回す。
(4)インパクトの意識・・・(1)~(3)の動作の流れで行う、手首の返し。ヘッドの立て方。
このポイントを柱に、選手ひとりひとりの特性を見て、その選手に合った技術を教えているそうです。中学2年のある選手は「打つ時に『左の側筋をねじる』と教わってピンときました。落ちてくるボールを下からすくい上げて打ったら、試合で外野手の頭をオーバーする打球が打てるようになりました」と目を輝かせて話してくれました。
メジャーリーグの「フライボール革命」や、今季パ・リーグで本塁打王(47本)になった西武・山川穂高選手の打撃のように「ボールを上から叩けばゴロにしかならない。フライを打たなければホームランは生まれない」という考えが周知されてきているようにも思えます。
塾長も「ゴロはいらない。極端に伝えた方がいい選手には『アッパースイングでいいから下から打て』と言っています。ゴロを打って、相手のミスを期待するような選手にはなってほしくないんですよね」と将来を見据えた指導をされています。
試合で結果を求めると、自分の打撃ができなくなるものです。また、チームバッティングに徹するとき、ホームランを狙えない状況に追い込まれる時もあります。だからこそ「試合のない時期に正しい形を身につけて、春を迎えてほしい。秋~春の間は野球が上手くなれる絶好のチャンスなんです」と塾長は話します。
「『オフシーズン』と言っていいのは、技術を確立したプロだけが使える言葉です。冬はたっぷり練習する時間がある。ライバルに差をつけられるチャンスは冬です。しっかり練習して、同じぶんだけケアもしてください。春の一発目の試合で打撃で大爆発できるように、しっかり準備をしてください」。
「高校野球はまだまだ先」と思ってのんびりしていると、来春に筋力の衰え、技術のブランクで泣くことになるかもしれません。軟式の選手も、硬式の選手も、しっかり準備をして春からのスタメンを勝ち取れるようにがんばりましょう。(取材・写真:樫本ゆき)
悟塾(さとるじゅく)
創設:2013年6月。場所:福岡県内の野球練習施設(福岡早良校、福岡東校、福岡和白校、北九州校)。時間:18時~22時の間(基本)。対象:小学生以上。定員:各クラス8~10名程度。*開催日の詳細は、悟塾ホームページ(http://satorujuku.jp/)西村悟
1983年6月8日生まれ。福岡県古賀市出身。九州古賀ボーイズから東福岡に進み1番打者(外野手)で活躍。高2秋に九州大会優勝、神宮大会優勝。センバツ8強入りを果たす。東海大を経て2006年に独立リーグ・徳島インディゴソックスに入団。2007年同・福岡レッドワーブラーズ、2009年同・愛媛マンダリンパイレーツで活躍し2010年に退団。2013年より悟塾を開校。阪神に2014年まで在籍した西村憲投手は実弟。取材協力
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