昨季は7年ぶりに地区優勝を果たしたブリュワーズ

◆ 今季のナ・リーグ中地区は…?

 1週間前に日本で開幕戦が行われたメジャーリーグ。とはいえ、2019年シーズンの開幕を迎えたのはマリナーズとアスレチックスの2チームだけ。他のチームはと言うと、現地時間28日(日本時間29日)に一斉に2019年の初陣を迎える。

 今回はMLBの本土開幕を前に、いよいよ始まる新シーズンの見どころや注目ポイントを地区ごとに紹介。ここでは、ナ・リーグ中地区を取り上げる。まずは、シーズン展望の前に昨年の順位をおさらいしておこう。

▼ 2018・NL中地区順位表
1位 ブリュワーズ(96勝67敗)
2位 カブス(95勝68敗)
3位 カージナルス(88勝74敗)
4位 パイレーツ(82勝79敗)
5位 レッズ(67勝95敗)

【ブリュワーズ】

 昨季はカブスとのワンゲームプレーオフを制し、実に7年ぶりの地区優勝。リーグMVPに輝いたクリスチャン・イエリチの活躍が目立ったが、ロレンゾ・ケーンやトラビス・ショーなどの脇役陣も渋い働きを見せた。オフにはFAで強打の捕手ヤスマニー・グランダルを獲得。1番から8番まで抜け目ない打線が完成した。

 投手陣では、2年前の17勝から昨季は2勝と絶不調に陥ったザック・デービーズあたりが復調すれば万全のローテーションとなる。抑えのジョシュ・ヘイダーは昨季81回1/3で143三振を奪ったが、ポストシーズンもフル稼働しており、その反動が気になるところ。昨季同様の無双ぶりを見せれば、ブルペンも盤石だ。

【カブス】

 昨季はブリュワーズに僅かに及ばず地区3連覇を逃した。それでも4年連続90勝以上を挙げており、今季も優勝候補の一角であることは間違いない。野手、投手ともにほぼ昨季のメンバーがそのまま残った。

 先発2番手のダルビッシュ有は移籍1年目の昨季、僅か8試合の登板で1勝3敗と屈辱的なシーズンを送った。今季も不甲斐ない投球を続ければ容赦ないブーイングを浴びるだろう。15勝以上できる実力の持ち主だけに完全復活に期待したい。

【カージナルス】

 2008年から11年連続勝ち越し中と安定感はナ・リーグでも屈指。昨季途中にマイク・マシニー監督が解任されると、マイク・シルトがベンチコーチから暫定監督に昇格。見事にチームを立て直し、41勝28敗という好成績でシーズンを終えた。今季は暫定の文字が取れ、4年ぶりの地区優勝を狙う。

 オフにはダイヤモンドバックスからポール・ゴールドシュミットを獲得。得点力は大幅にアップするだろう。投手陣は元巨人のマイルズ・マイコラスがエース格。メジャー復帰1年目で18勝を挙げた昨季のリピートを狙う。

【パイレーツ】

 強豪ひしめくナ・リーグ中地区で3年ぶりに勝ち越したが、今季は再び苦しい戦いを強いられそうだ。打線は悪くないが、長打力に欠き、足を使える選手もスターリング・マルテくらいしかいない。オフも目立った補強はできず、得点力不足に悩まされそうだ。

 打線に比べると投手陣は希望が持てる陣容だ。昨季そろって14勝を挙げたジャーメソン・タイロンとトレバー・ウィリアムズに加え、昨季途中に加入したクリス・アーチャーが3本柱を形成。いずれも15勝挙げるだけの能力があり、シーズンを通して働けばチームにも明るい光が見えてくる。

【レッズ】

 4年連続地区最下位、5年連続負け越しと低迷中のレッズ。オフにはドジャースとのトレードでマット・ケンプ、ヤシエル・プイグの両外野手、そして左腕のアレックス・ウッドらを獲得。さらにヤンキースからソニー・グレイも獲得するなど、チームの新陳代謝を図った。

 新戦力の活躍も当然重要になるが、最大のカギはレッズ一筋35歳のジョーイ・ボットが復活できるかだろう。昨季は打率.284、12本塁打と低迷。2年前に成し遂げた3割30本100打点の壁を再び超えることができれば、チームも2013年以来の勝ち越しが見えてくる。

・まとめ

 カブスとブリュワーズのシーズン勝ち越しは堅いだろう。カージナルスの安定感も捨てがたいが、レッズが台風の目になる可能性が高い。投手陣がある程度整備されれば、上位進出も十分あるだろう。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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