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開幕一軍スタートは新人王の登竜門?!新人たちが各地で躍動

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ソフトバンク・甲斐野央 (C)KYODO NEWS IMAGES

ルーキーたちが開幕カードから活躍


 ついに2019年のプロ野球が開幕。初日から3試合が延長戦に突入するなど、各地で熱戦が繰り広げられた。

 その中でも目についたのが、新人選手たちの活躍。開幕一軍のメンバーに名を連ねたのは10選手で、そのうち野手は7選手で、さらに4選手が開幕スタメンの座を手にした。

 福岡では、ソフトバンクの“ドラ1”甲斐野央投手が同点の場面からマウンドに上がり、西武打線を相手に2回5奪三振の鮮烈デビューでいきなりの勝利投手。ソフトバンクでは、ドラ7ルーキーの奥村政稔投手も開幕戦から2試合連続で登板し、2つのホールドを記録した。オリックスの頓宮裕真選手は、開幕戦で2本の二塁打を放ち2打点の活躍を見せている。

 その他にも、ロッテのドラ1・藤原恭大選手が「1番・中堅」でスタメン出場し、デビュー戦でプロ初安打も記録した。新生タイガースの「1番・遊撃」木浪聖也は無安打に終わったものの、「2番・中堅」近本光司は開幕戦で初安打初打点をマーク。楽天のドラ1・辰巳涼介選手は3戦目に初スタメンを飾ると、初安打・初打点・初盗塁の初モノづくしで存在感を示した。

 そんな将来有望な新人選手たちがノミネートするであろうNPBによる選手表彰の1つが『最優秀新人賞』。その名のとおり、その年に最も活躍した優秀な新人選手に贈られるタイトルだ。当然、ある一定の出場機会と数字を残す必要があり、そういった選手たちは「開幕一軍スタート」であることが多いのだろうか? 過去20年の新人王受賞者を調べてみると、およそ9割の受賞者が開幕一軍スタートだった。


開幕一軍は新人王の登竜門?!


 1999年シーズンから2018年シーズンまでの新人王受賞者39名(2000年のパ・リーグ新人王は該当者なし)のうち、新人王受賞年に開幕一軍メンバーだったのは以下の35名になる。

●2018年 東 克樹(DeNA)、田中和基(楽天)
●2017年 京田陽太(中日)、源田壮亮(西武)
●2016年 高山 俊(阪神)、高梨裕稔(日ハム)
●2015年 山崎康晃(DeNA)
●2014年 大瀬良大地(広島)、石川 歩(ロッテ)
●2013年 小川泰弘(ヤクルト)、則本昂大(楽天)
●2012年 野村祐輔(広島)、益田直也(ロッテ)
●2011年 澤村拓一(巨人) 牧田和久(西武)
●2010年 長野久義(巨人)
●2009年 松本哲也(巨人)、攝津 正(ソフトバンク)
●2008年 山口鉄也(巨人)、小松 聖(オリックス)
●2007年 田中将大(楽天)
●2006年 梵 英心(広島) 八木智哉(日ハム)
●2005年 青木宣親(ヤクルト) 久保康友(ロッテ)
●2004年 川島 亮(ヤクルト)、三瀬幸司(ダイエー)
●2003年 木佐貫洋(巨人)、和田毅(ダイエー)
●2002年 正田 樹(日ハム)
●2001年 赤星憲広(阪神)、大久保勝信(オリックス)
●2000年 金城龍彦(横浜)
●1999年 上原浩治(巨人)、松坂大輔(西武)
※チーム名は受賞時のもの

 新人王受賞者の開幕一軍スタート率は約89.7%とかなり高い割合になる。一方、受賞年に開幕一軍ではなかった選手は以下の4名だ。

●2015年 有原航平(日ハム)
●2010年 榊原 諒(日ハム)
●2007年 上園啓史(阪神)
●2002年 石川雅規(ヤクルト)
※チーム名は受賞時のもの

 現在は日ハムの先発ローテーションの一角を担う有原は、2015年に新人王を受賞しているが、開幕一軍スタートではなかった。春季キャンプは二軍スタートとなり、開幕も二軍だったが、5月に一軍に昇格して初先発初勝利を挙げている。2010年の榊原も二軍スタートながら6月に一軍に昇格。チャンスをモノにして新人王を獲得した。

 2007年の上園は6月に二軍から昇格。規定投球回数には到達しなかったものの、新人最多の8勝をマークして新人王に輝いた。同じ年にパ・リーグの新人王を受賞する楽天の田中将大との投げ合いも印象深い。また、長きにわたりヤクルト投手陣を支える大黒柱・石川も、新人王に輝いた年は開幕時に一軍メンバーではなかったものの、開幕直後の4月4日に登録され、先発ローテの一角として活躍した。

 このように開幕一軍ではなくとも新人王を獲得するケースはあるが、いずれも投手だった。もともと投手の方が起用されやすいため、投手の方が受賞者は多く、特に出場機会が限られる野手の場合は、開幕から一軍に定着することが望ましい。また、遅くとも6月までには一軍に昇格していないと新人王候補のラインに乗ってくるのは難しそうだ。


受賞者は何年目が多い?


 新人王は、以下の条件を全て満たしている場合に受賞資格が与えられる。

1.海外のプロ野球リーグの参加経験がない
2.初めて支配下選手に登録されてから5年以内
3.投手として前年までの1軍での登板イニング数が30イニング以内
4.打者として前年までの1軍での打席数が60打席以内

 ちなみに、入団から何年目で新人王を獲得している選手が多いのかを見てみると、過去20シーズンでは以下のようになった。

1年目:30人
2年目:5人
3年目:4人
4年目:0人
5年目:0人

 大多数が入団1年目での受賞だったが、2年目での受賞も青木宣親(ヤクルト)や昨年の田中和基(楽天)など5人いた。3年目も山口鉄也(巨人)や高梨裕稔(日本ハム)など4人。2年目や3年目での受賞もあり得るため、昨シーズンにピンポイントで活躍したり、シーズン終盤に目立った活躍を見せた新人選手には要注目だ。例えば、2年目にして開幕スタメンの座を勝ち取ったヤクルトの村上宗隆選手なども、新人王の候補に入ってくる可能性が高い。

 ちなみに、過去20年では4年目以上で受賞した選手はいないが、新人王創設の1950年までさかのぼると、1971年の関本四十四(巨人)と1998年の小関竜也(西武)の2例だけ存在する。ちなみに5年目で受賞した選手はいない。過去の例を見る限り、開幕一軍のメンバーの中から『令和』初の新人王が生まれることになりそうだが、果たして――。

 開幕から多くの新人が躍動している2019年の『新人王』は誰になるのか?! 開幕一軍の切符を勝ち取ったルーキーたちに加え、入団後にファームで研鑽を積んでいた開幕一軍メンバーにも注目してみたい。


文=中田ボンベ
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