頓宮裕真が初打席で初打点
待ちに待ったプロ野球が開幕した。ここから、日本一へ向かって約半年間に渡り12球団が熱戦を繰り広げることになる。
その開幕戦では、日本一3連覇を目指すソフトバンクの新人投手ふたりが好結果を残した。同点の10回表という痺れる場面での登板となった甲斐野央は、2回5奪三振と圧倒的な投球を見せ、プロ初勝利をマーク。また、チームメイトの奥村政稔も2/3回を無失点に抑えてホールドを記録している。その他の新人投手では、島内颯太郎(広島)も一軍登録されていたが、この日の登板はなかった。
一方、開幕一軍登録をされた新人野手は全部で7人。そのうち4人がスタメンに名を連ねた。阪神は「1番・遊撃」の木浪聖也と「2番・中堅」の近本光司で上位打線を形成。木浪はノーヒットだったものの、失策絡みで出塁し、続く近本の適時三塁打で本塁へ生還。新人ふたりで1点をもぎ取った。
オリックスの頓宮裕真は「5番・三塁」でクリーンアップに名を連ね、その期待に応えるかのように、初打席で適時二塁打。2打席目にも二塁打を放つマルチ安打のスタートとなっている。そして大注目だったのが、高卒新人で唯一のスタメンとなったロッテの藤原恭大。「1番・中堅」で出場すると最初の打席からフルスイング。4打席目に遊撃への内野安打を放ち、うれしいプロ初安打をマークしている。
開幕スタメンの座を手にした選手たちはそれぞれ結果を残したが、ここからはそれを継続し、シーズンを通して続けていくことが求められる。しかし、それは簡単なことではない。
▼ 新人開幕一軍野手の開幕戦成績
※=スタメン
・木浪聖也(阪神)※
5打数無安打1得点
・近本光司(阪神)※
4打数1安打1打点
・頓宮裕真(オリックス)※
4打数2安打2打点
・藤原恭大(ロッテ)※
4打数1安打
・佐藤龍世(西武)
守備のみの出場
・小園海斗(広島)
出場機会なし
・辰己涼介(楽天)
出場機会なし
昨季の規定打席到達はひとりだけ
昨シーズンを振り返ってみると、開幕一軍を勝ち取った新人野手は8人いた。そのうち開幕スタメンは今回と同じ4人。しかし、規定打席に到達したのはロッテの藤岡裕大ひとりだけ。開幕一軍という括りを外しても、新人野手で藤岡以外に規定打席に到達した選手はいなかった。
付け加えると、藤岡は遊撃手という負担の多いポジションながら全試合出場を果たしている。新人王は2年目の楽天・田中和基にさらわれたが、規定打席到達が評価に値するものであることは間違いない。
その他の選手では、菅野剛士(ロッテ)、山足達也(オリックス)、神里和毅(DeNA)が開幕スタメンデビューを果たしたが、故障や不振などで年間を通じての活躍はできず苦しんだ。開幕スタメンこそならなかったが、巨人の大城卓三は捕手という難しいポジションながら、いちども二軍降格することなく一軍メンバーとして完走。シーズンを通してチームの戦力となった。
新人選手たちにとって開幕一軍はひとつの目標である。しかし、「プロに入ること」と同じように「一軍に入ること」はゴールではない。あくまでもスタートだ。
開幕スタメンに名を連ねた木浪ら4選手は、ペナントレースに加えて“レギュラーの座確保”に向けて熾烈なポジション争いにも身を投じることになる。もちろん、惜しくも開幕スタメンを逃した辰己ら3選手の活躍にも大いに期待したい。
▼ 18年新人開幕一軍野手のシーズン成績
※=スタメン
・藤岡裕大(ロッテ)※
143試合 打率.230(535-123)本5 打点42
・菅野剛士(ロッテ)※
53試合 打率.176(131-23)本2 打点18
・山足達也(オリックス)※
25試合 打率.167(60-10)本1 打点7
・神里和毅(DeNA)※
86試合 打率.251(247-62)本5 打点21
・宮本秀明(DeNA)
21試合 打率.160(25-4)本2 打点2
・島田海吏(阪神)
12試合 打率.200(35-7)本0 打点1
・田中俊太(巨人)
99試合 打率.241(228-55)本2 打点12
・大城卓三(巨人)
83試合 打率.265(185-49)本4 打点17