ロッテの種市篤暉[撮影日=2019年2月8日]

「今年一番よかったですね」。

 4月5日のソフトバンクとの5回裏一死一、二塁の場面で、ロッテ・種市篤暉が松田宣浩に投じた初球の外角のスライダーが印象に残っていたので、本人にスライダーについて質問し返ってきた答えが冒頭の言葉だ。

 「あのボールは、有吉さんに前々日ぐらいにスライダーを教えて下さいと言って、教えてもらいました」。松田に投じた初球のスライダーは、つい最近学んだボールだったという。

 これまでにも種市が、成長しようと先輩投手から吸収する姿を何度も見てきた。過去には一軍の先発投手が遠征に帯同せず二軍のロッテ浦和球場で練習しているときには、先輩のブルペンを見学。このオフはフォークを武器にするソフトバンク・千賀滉大に弟子入りし技術向上を図った。

 そうした姿を見ると今回、有吉優樹からスライダーを教わったのも不思議ではない。種市自身、昨年もスライダーを投げていたが「緩いなというような感じもあり、見切られるのもすごくはやいと思っていました」と課題にしていたボール。

 有吉とキャッチボールをするなかで「スライダーが捕りにくいと思いましたし、できるだけ真っすぐと思われるようなスライダーを投げたいと思っていたので有吉さんに聞きました」と種市はすぐに行動に移した。練習する時間がほとんどなかったなかで、4月5日のソフトバンク戦の登板で、有吉から教わったスライダーを早速投げた。

 松田に投じた初球のスライダーは納得のいくボールとなったが、「今宮さんの打席ではスライダーが2球抜けていた」と自身が思い描くボールを投げられなかった。「今は練習中です」と実戦で本格的に使えるようにするため、精度を高めているところだ。

 力強いストレートに落差のあるフォーク、さらにスライダーを自分のモノにできれば投球の幅は広がる。スライダーも自在に操ることができるようになれば、開幕前に種市が掲げた「1年間、結果を出して1年間一軍で頑張りたい」という目標も近づくだろう。常にアンテナを張り巡らせ、気になったことは質問し、自分が良いと思ったものを取り入れる。進化を続ける右腕から今後も目が離せない。

取材・文=岩下雄太

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