荻野が1番に固定
開幕から固定できずにいたロッテの1番打者に、荻野貴司が4月16日のソフトバンク戦から8試合連続でスタメン出場している。
3月29日に行われた楽天との開幕戦に『1番・中堅』で藤原恭大が出場すると、岡大海、菅野剛士、加藤翔平、現在は1番に固定されている荻野が1番を務めてきた。4月15日までの14試合での1番打者の打率は.091、(55-5)。そのうちの3安打が荻野が放ったもの。特に初回に出塁した試合は、4月12日の日本ハム戦で荻野がレフト前に放った安打のみ。開幕から2番・加藤翔平、3番・中村奨吾が好調の中で、1番打者は悩みの種のひとつだった。
荻野も4月3日の西武戦、12日の日本ハム戦1番を任されたが、オープン戦から状態が上がらず、なかなかスタメン出場する機会を得られなかった。自主トレから短いバットを使用してきたが、結果が出なかったこともあり、昨年までのように長いバットを短く持つスタイルに変更。この決断が功を奏したのか、4月9日のオリックス戦から11試合連続安打を記録し、23日の西武戦では1試合5安打を放つ活躍を見せた。
16日のソフトバンク戦からは1番に座り、同日から25日の西武戦までの1番打者の打率は.353(34-12)とその役割を果たしている。
▼ ロッテ1番打者成績
荻野貴司 10試 率.357(42-15)本1 点6 盗2
藤原恭大 4試 率.118(17-2)本0 点2 盗0
岡 大海 4試 率.000(15-0)本0 点0 盗0
菅野剛士 3試 率.000(11-0)本0 点0 盗0
加藤翔平 1試 率.000(4-0)本0 点0 盗0
持ち味を発揮
出塁してから荻野の本領が発揮される。荻野の持ち味といえば“足”。「1個でも先の塁を奪えるチャンスがあるなら奪っていきたいなというのは考えています」と常に次の塁を狙っている。
1試合5安打した23日の西武戦では初回、先発・ニールからライト前ヒットを放ち出塁すると、俊足の荻野を警戒してかニールは一塁へ牽制した。荻野は「(初球から走れるなという)感じだったんですけど、思ったよりクイックが速かった」と振り返るが、直後の初球にすかさず二塁へ盗塁を決めた。捕手・森の悪送球もあり、一気に三塁まで陥れ、2番・清田育宏の三ゴロの間にホームを踏んだ。
4月21日の日本ハム戦では得点にこそ繋がらなかったが、初回にライト前ヒットで出塁。続く2番・藤岡裕大のバントは捕手前に転がり、日本ハムの捕手・石川亮は一瞬、二塁へ送球する素振りを見せるも、一塁走者・荻野のスタートが素晴らしく、バントが決まったという場面もあった。荻野は「普通に転がったので走っただけです」と話したが、荻野でなければ二塁アウトになってもおかしくない打球だった。
「勢いをつける走塁、打撃であったりをしたいと思っています」。マリーンズの攻撃に勢いを与えるため、今日もバットと足で相手バッテリーにプレッシャーを与えていく。
取材・文=岩下雄太