最近5試合は打率.400
「だいぶ良くなってきていると思います。スイングもタイミングも取れ出せたので、いいかなと思います」。
ロッテの藤岡裕大は17日の楽天戦で、2試合連続マルチ安打をマークするなど、状態を上げている。
ルーキーイヤーの昨季全143試合に出場した藤岡は、今季も開幕からショートのレギュラーで出場していたが、4月14日の日本ハム戦から4月20日の日本ハム戦の第2打席まで16打席連続無安打を記録するなど、4月23日終了時点で打率.182まで落ち込み苦しんでいた。
「打撃フォームもバラバラになっていましたし、タイミングが取れていなかったというのが一番にあるかなと思います」。
なかなか状態が上がってこなかった藤岡だが、4月25日の西武戦では、初回の第1打席に先発・相内誠に12球、8回の第4打席は野田昇吾に8球投げさせるなど、昨年の春先に見せていた粘り強い打撃が徐々に戻りつつあった。
藤岡本人も「あれぐらいからですかね。ちょっとずつ上がってきていますし、だいぶ粘れるようになってきたかなと思います」と振り返る。
5月に入ってからは8日の西武戦でマルチ安打を達成すると、10日のソフトバンク戦、16日のオリックス戦、17日の楽天戦と4試合でマルチ安打を記録するなど、5月の打率は.281(32-9)。特に最近出場した5試合は、打率.400(15-6)だ。
「しっかりタイミングが取れている。ストライクゾーン、ボール球をしっかり見極めて打てているから、いい結果につながっているのかなと思います。凡打もだいぶいい形が増えていると思います」と手応えを掴む。
試合前の打撃練習
打撃の状態が上向いてきた要因のひとつに、試合前の打撃練習が挙げられる。
試合前には河野打撃コーチが上げる様々な種類のティー打撃をこなす。時には本拠地・ZOZOマリンで行われる試合前練習で、全体練習の1時間半前から河野コーチとマンツーマンでティー打撃を行い汗を流したこともあった。
藤岡は「16日のオリックス戦で山本投手のカーブをピタッと止まって打てたのは、練習の成果が結果に繋がったと思います」と語る。
現状は三木亮とショートのレギュラーを争う形になっている。 「みんな出れば結果を残しますし、その中でもチャンスを多くもらっているので。それだけの仕事をしないと、と思ってプレーしています」。開幕直後は思うような結果を残せていなかった背番号“4”は、ここから巻き返す。
取材・文=岩下雄太