勝野昌慶、清水達也がローテーション入り
開幕当初は好調だった中日。しかし、5月に入って貯金がなくなると、ジリジリと負けが増え、現在(5月29日終了時点)は借金4という状況だ。
また、打線の中心である平田良介が5月17日の巨人戦で肉離れを発症。すでに登録を抹消されており、復帰までは少し時間を要する見込み。借金返済へ向け、勝ち進んでいかねばならない時期に、あまりにも大きい離脱となった。
その一方で、明るい話題もある。松坂大輔(38)や吉見一起(34)、山井大介(41)といったベテラン頼みだった先発投手陣が若返りつつある。
5月24日のヤクルト戦ではドラフト3位ルーキーの勝野昌慶(21)が、7回途中1失点でプロ初勝利をマーク。初登板から2試合連続でクオリティースタート(QS)を達成しており、安定感は抜群。昨秋の社会人日本選手権においてMVPとなった右腕がついにベールを脱いだ。
2017年、夏の甲子園優勝投手でもある清水達也(19)も、ここまで3試合の登板で2勝。前回登板(26日のヤクルト戦)は3回6失点での降板となったが、それ以前の2試合は5回2失点という内容。まだまだ課題は多いが、高卒2年目ということを考えれば、これからが楽しみな存在だと言えるだろう。
柳裕也がキャリアハイの4勝
勝野、清水の他にも期待の若手は多い。2016年ドラフト1位の柳裕也(25)も、3年目の今シーズンは大きく成長。すでにキャリアハイの2勝を超える4勝(2敗)をマーク。9度の先発で5度のQSを達成しており、先発ローテーションをしっかり守っている。
また現在は離脱しているものの、昨シーズン後半から頭角を現し、開幕投手も任された期待のサウスポー、笠原祥太郎(24)への期待も大きい。さらには小笠原慎之介(21)、高卒1年目の昨季に一軍デビューを果たし、二軍で好投を続けている山本拓実(19)と若手の素材は豊富に揃っている。特に山本は、18日の二軍戦で初完封を記録、25日の試合では甘く入ったボールをことごとく打たれたが、ここまでチーム最多の50イニングと、台頭が待たれるところ。
そんな若き投手たちのリーダー格となる大野雄大も、ここ数年は不甲斐ない成績となっていたが、今シーズンは自身2年ぶりの完封勝利を含む3勝(3敗)をマークし、防御率も2点台と本来の投球が戻ってきた。
落合博満監督が指揮を執っていた常勝時代、チームを引っ張っていたのは若き日の吉見やチェン・ウェインだった。20代の若い投手陣を今年9月に31歳となる大野が引っ張ることができれば、チームは大きく変わっていくだろう。
若手先発陣が台頭しつつある、中日の巻き返しはなるのか!? まずはきょう、前回に登板に続きプロ2勝目を目指すルーキー勝野のピッチングに期待したい。