一歩先を行く村上
右手有鈎骨の骨折から一軍復帰を果たした日本ハムの清宮幸太郎に、今季第1号となる本塁打が飛び出した。
復帰初戦となった24日の西武戦から4試合連続で打点を記録すると、「気にはしていなかったですけれど、1本出たのはうれしい」と振り返った復帰6戦目での一発は、バックスクリーンに飛び込む球団通算8000号のメモリアルアーチ。徐々に状態を上げている清宮と共にチームも復調気配。ここにきての4連勝で、貯金生活に舞い戻った。
2017年のドラフトで7球団が競合した高卒2年目のスーパースターが存在感を示し始めた一方で、神宮球場では同期の右腕が躍動。同年のドラフト2位で熊本工から広島に入団した山口翔が、プロ初先発で初勝利を挙げた。それも、7回二死まで許した走者は四球による1人だけというオマケつき。7回95球8奪三振、被安打1、与四球1の無失点という堂々たるピッチングで、指揮官の期待に一発回答。おそらくこれで今後2~3試合の先発登板を射止めたことだろう。
そして、その山口のノーヒットノーランを止めたのが、同じ九州・熊本の九州学院から17年ドラフト1位でヤクルトに入団した村上宗隆。第1打席は二ゴロ、第2打席は三振に倒れたが、10代で4番に座る期待のスラッガーがレフト前にヒットを放ち、同級生の快投に待ったをかけた。
その村上は、ここまで一軍で全試合に出場。打率は.244ながらチームトップの14本塁打を記録しており、リーグトップタイの41打点をマーク。高卒2年目とは思えぬ打棒で結果を残し、この世代で最も注目を集めていた清宮幸太郎を上回るインパクトを残している。チームは苦しい状況ながら、どこまで数字を伸ばすのか、この先も楽しみは尽きない。
ドラフト下位指名組も着々
この世代は他にも、花咲徳栄で甲子園優勝を果たした清水達也(中日のドラフト4位)が先発として3試合に登板。すでに2勝を挙げている。内容的にはまだまだ改善の余地が多いが、ここでの経験値は今後に生きてくるはずだ。
また、オリックスの外野手・西浦颯大(17年ドラフト6位)も西村監督の下で着実に出場機会を増やし、その快足と強肩で存在感を示している。打率は2割台とまだまだだが、30日のソフトバンク戦でも甲斐キャノンをくぐり抜けて二盗を決めると、セカンド内野安打の間にホームを陥れる好走塁を披露するなど、積極果敢な姿勢を貫いている。
さらにファームでは、広島の遠藤淳志(17年ドラフト5位)や中日の山本拓実(17年ドラフト6位)といった投手が着実に経験を積んでおり、清宮や村上と同じドラ1組のロッテ・安田尚憲もイースタンリーグトップの7本塁打、35打点、55安打と結果を残している。こちらは同じ三塁を守るレアードが好調なため、なかなか昇格のタイミングが難しいが、チャンスを与えられる日も遠くないだろう。
今年20歳を迎える発展途上の若手ではあるが、カブスのダルビッシュ有が自身のTwitterで「清宮、村上、安田選手と最近の若い選手はとんでもないですよね。ピッチャーもそうだけど、自分がデビューした時からは考えられないような選手がどんどん増えてきていますね^_^」とつぶやくなど、その注目度は高い。これからの野球界を背負って立つ“高卒2年目世代”に注目だ。
【主な高卒2年目選手の一軍成績】
▼ 清宮幸太郎(日本ハム/1位)
6試 率.261 本1 点9
▼ 村上宗隆(ヤクルト/1位)
53試 率.244 本14 点41
▼ 山口 翔(広島/2位)
4試(11回) 1勝0敗 防0.00
▼ 清水達也(中日/4位)
3試(13回) 2勝0敗 防6.92
▼ 西浦颯大(オリックス/6位)
41試 率.205 本1 点12 盗6