5月の投球に「できすぎ」
6月1日の西武戦で失点したが、5月は打者31人と対戦し、わずか1安打に抑え込んだロッテの東條大樹。自身の5月の投球に「できすぎじゃないですかね」と謙虚に振り返った。
特に4月12日の日本ハムから5月30日の日本ハム戦にかけて12試合連続無失点に抑えるなど、日に日にその存在感は高まっている。
安定した投球を続ける東條は、具体的に何かを変えたところは「特にない」と話すが、“テンポ”の良い投球を心がけている。5月30日の日本ハム戦では4回でマウンドを降りた種市篤暉の後を受けて、5回から登板した東條は「テンポよく投げられたのはあると思います」とテンポよく2イニングを0安打、4奪三振、無失点に抑えた。
「今までも意識していたんですけど」と前置きをしたうえで、東條は「荻野さんに『テンポよく投げた方がバッターは嫌だよ』と言われたので、テンポが良い方がいいのかなと」とチームメイトの荻野貴司のアドバイスを受け、テンポよく投げることを常に意識してマウンドに上がっている。
東條にアドバイスを送った理由について荻野に聞いてみると、「東條の場合はいいボールがあるので考えすぎずに、どんどん投げていった方がいいなと感想を言っただけですよ」と教えてくれた。
ちなみに、荻野はセンターから見た東條の投球テンポに「すごく守りやすくて、迷いなく投げられている感じがします」と太鼓判を押す。
1日の西武戦は勝ち試合で登板も…
救援陣は6年連続40試合以上登板する松永昂大が一軍登録を抹消され、“勝ちパターン”のリリーフ陣の台所事情がやや苦しくなっている。
12試合連続無失点に抑えていた東條も、ここまでビハインドゲーム中心のマウンドだったが、6月1日の西武戦で、6-5の1点リードの7回から登板するチャンスが巡ってきた。
しかし、先頭の源田壮亮に内野安打で出塁を許すと、続く外崎修汰にレフトへ二塁打を打たれ、いきなり無死二、三塁のピンチを背負う。山川穂高の内野ゴロの間に三塁走者の生還を許し、同点に追いつかれると、栗山巧に四球を与え、中村剛也に一時勝ち越しとなる適時打を浴びた。続く岡田雅利、戸川大輔を打ち取り、この日の登板は1回を投げて2失点。悔しい結果に終わったが、この経験を今後の投球に活かして欲しいところだ。
今季はここまで17試合に登板して、防御率は3.54。荻野からアドバイスをもらった“テンポ”の良い投球で、打者を打ち取っていく。
取材・文=岩下雄太