昨季二軍で最多勝、今季は一軍ローテ定着
阪神の青柳晃洋投手(25)が12日、ソフトバンクとの交流戦(ヤフオク)に先発登板し、7回4安打2失点(自責点1)の好投で5勝目(4敗)を手にした。シーズン5勝はキャリア最多を更新するものであり、現在チーム単独トップ。4年目の下手投げ投手は、今やチームに欠かせない存在だ。
ソフトバンク戦の投球は、今季の青柳を象徴する内容。球威のある真っ直ぐ、シュート、スライダーを効果的に織り交ぜながら、打者の両コーナー丁寧に突いた。7回は内川をシュートで詰まらせ、この試合2つ目の併殺を奪取。ソフトバンク打線相手にゴロアウトの山を作った。
リードした女房役の梅野も「しっかりインサイドに投げてくれた。インサイドを有効に使えたことがポイントだった」と称賛。阪神は6連戦の初戦だった11日のソフトバンク戦、延長12回の末2-2の引き分け。先発・メッセンジャーの力投もあったが計5投手をつぎ込んでおり、青柳の7イニング消化は13日以降の4連戦を見据えても価値があったと言える。
与四球率が年々減少、安定感増しイニングもしっかり消化
今季は開幕から先発ローテーションを守り続け、ここまで11試合に先発し5勝4敗。勝率こそ.556だが、防御率はリーグ4位タイの2.50。投球回は同6位タイの68回1/3とチーム貢献度は高い。
飛躍したポイントとして、制球力の向上が挙げられる。今季ここまでの68回1/3とほぼ同じイニング数だった1年目(12先発で68回1/3消化)と2年目(12先発で64回1/3消化)の与四球率(1試合9イニングを完投したと仮定した場合の平均四球数)を比較すると、1年目5.27、2年目3.92、4年目の今季は2.29と、年々良化している(3年目は4登板とサンプルが少ないため除外)。
今季はクオリティ・スタート(6回以上、自責点3以下)も11登板中7度クリアしており、ここまでの平均投球回数も約6回1/3と安定している。
3年目の昨季は一軍登板わずか4試合に終わったが、当時の矢野二軍監督の下、8勝2敗、防御率2.73の成績でウエスタン・リーグの最多勝利投手賞を獲得した。
一軍監督に昇格した新指揮官とともに、新生・阪神を牽引する青柳。今季のチームスローガンである「ぶち破れ!オレがヤル」を地で行く4年目右腕から、今後も目が離せない。