右方向への意識
「バッティング練習では、右方向に強い打球を意識しています。試合ではなかなかそういうのが出ないですけど、いつか1本出るためにやっている。(右方向の)意識はすごくしています」。
28日の試合前練習後にこのように話したロッテの清田育宏は、約6時間後に右方向に強い打球を放ち、チームを勝利に導いた。
4月下旬からスタメン出場を続けてきた清田だが、新外国人のマーティンが加入し、ここ3試合はベンチスタート。28日の楽天戦では、3-3の9回無死満塁で、9番・三木亮の代打で登場し、1ボール1ストライクから青山浩二が投じた139キロのストレートをライトへ弾き返すサヨナラ打を放った。
これで清田は代打での成績が、このサヨナラ打を含めて打率.500(12-6)、4打点。6月18日の広島戦で決勝打、7月27日の楽天戦で同点打、そして28日の楽天戦でサヨナラ打と代打で無類の勝負強さを発揮する。
勝負強さの要因について清田は「使っていただいているのが、そういう場面なので、僕はそういったところで結果を出すだけだと思っています。いい結果につながってよかったなと思います」と謙虚に答えた。
入念な準備
スタメンを外れたここ3試合は、早い時間からZOZOマリンスタジアムのグラウンドに現れランニングやストレッチなどで汗を流している。
「スタメンじゃないときは、少し早くグラウンドに出て汗をかいて、準備じゃないですけど、僕も体を動かさないと体が動かないので、怪我しないようにと思いながらやっています」。
特に27日の楽天戦では、一番にグラウンドに現れ、外野のポール間を約20分近くランニング。翌28日も全体練習の1時間以上前からグラウンドで、ランニング、ストレッチなどで体を動かしていた。
試合前練習の打撃練習でも工夫を凝らす。「試合に出ていないので、速い球に目を慣らすために、速い球を投げてもらっています」と、川崎雄介打撃投手に最後の数球は、速いボールを投げてもらいより実戦に近い形で、試合に向けた準備を行なっている。入念な準備があってこそ、“代打”での好結果に繋がっているといえるだろう。
チームは現在首位・ソフトバンクと7.5差、3位・西武と2.5差の5位。今後に向けて清田は「まだチームは優勝を狙えるところにいると思う。しっかりした野球をしたいと思いますし、相手チームも強いので気持ちで元気を出してやれたらと思います」と意気込む。リーグ優勝、クライマックスシリーズを進出するためにも、清田のバットでの活躍は必要不可欠だ。
取材・文=岩下雄太