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プロで活躍するため「走るしかない」ロッテ・荻野が通算200盗塁達成

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7回、二盗を決めて通算200盗塁を達成し、記念のボードを掲げるロッテ・荻野=東京ドーム(C)Kyodo News

通算200盗塁達成


 東京ドームで行われた8月22日の楽天戦、一塁走者のロッテ・荻野貴司が、楽天・ブセニッツが鈴木大地に投じた2球目にスタートを切り二盗を決めた。この盗塁が節目の通算200盗塁となった。

「200まではナンボやなとか計算したことはありますけど、そんなに別に強い想いはないですね。区切りといえば区切り。そこを目指して頑張ります。自己記録を(26個)超したらいけるということ」

 今年の1月ロッテ浦和球場で行っていた自主トレで、通算200盗塁は「あくまで区切り」と話していた荻野。通算200盗塁が目前に迫った8月にも、「1個、1個の積み重ねなので、200盗塁だけを目指しているわけではないですけど、結果的に200ができればいいのかな」と“通過点”であることを強調していた。

 荻野は2009年ドラフト1位でロッテに入団し、1年目の10年には、なんでもないライト前ヒットを二塁打、ショートゴロを内野安打にしてしまうなど、そのスピードに誰もが驚いた。特に1年目はわずか46試合の出場で、25個の盗塁を決めるなど、そのインパクトは大きかった。

 高い身体能力を持ちながら、毎年のように故障で離脱。それでも、毎年2桁盗塁をマークし続けた。17年からは3年連続で20盗塁以上をマークし、今季はこの通算200盗塁で自身のシーズン新記録となる27盗塁となった。


プロの世界で生き残るために


 「(大学時代に)記録はありますけど、一番変わったのはプロに入ってから」。関西学院時代の4年春に、関西学生野球連盟記録となる1季個人最多の17盗塁を打ち立てたが、プロに入ってから盗塁への意識がさらに高まったという。

「やっぱり小ちゃいし、そんなにパワーがない。自分も目立とうと思うと、走るしかないなと思った。入団した当時の西村監督が、そういうタイプの方だった。僕に求められているのは、そういう選手なのかなと思って、走らなあかんなと思っていました」

 プロの世界で生き抜くため、自身の最大の武器である走塁の技術を磨いた。


盗塁はボワーンと


「基本的にはピッチャーの雰囲気というか、ボワーンと見て、あんまり集中しないというか、ガッと見ない。全体を見て雰囲気をつかんで走っていますね。(スタート、スピード、スライディング)全部が大事だと思いますけど、やはりスタートで決まるのかな。また、スタートを切りやすい構えを見つけられれば、だいぶ違うと思うので、構えも大事かなと思います」

 もちろん、すべてがうまくいくわけではない。一塁走者のときに、一塁から二塁へ走りかけても、スタートが遅れているなと思ったら、瞬時に判断して走るのを途中でやめることもあるという。それでも、投手の全体の雰囲気を見ていけると思ったら、スタートが遅れた次の球でも積極的に仕掛けていく。

 今季でいえば、5月31日の西武戦の5回の第3打席、レフト前ヒットで出塁すると、中村奨吾の1ボール1ストライクからの3球目に一塁から二塁へ走りかけたが「スタートが遅れたので」と盗塁するのをやめ、その後、自分の中でいけると判断し、盗塁を決めたということがあった。1つの盗塁の中にも、様々な駆け引きや技術が詰め込まれている。


自主トレでも実戦を想定した走塁練習



 シーズン中に素晴らしい盗塁や、次の塁を狙った走塁を見せているが、その準備は当然、シーズンオフから始まる。

 自主トレでは、反応の練習のひとつとして、一塁ベースの後ろに立つスタッフが手を叩く音にあわせて走ることもあれば、「音で判断するのと、色んな反応の仕方をしていた方がいいのかなと思う」と、投手役に牽制などを入れてもらい実戦を想定した走塁練習も繰り返し行ってきた。

 ときには一人で「スタートのフォームを確認しながら」塁間ダッシュをすることもある。こういった実戦を想定した走塁練習は、春季キャンプ前の恒例行事となっている。日々の積み重ねと努力で到達した通算200盗塁。荻野は常々“積み重ね”と話すように、通算200盗塁を通過点とし、また今日から盗塁を積み重ねていく。

▼ 荻野貴司の年度別盗塁数
10年:25盗塁/46試合
11年:14盗塁/23試合
12年:13盗塁/61試合
13年:26盗塁/102試合
14年:15盗塁/40試合
15年:18盗塁/82試合
16年:16盗塁/71試合
17年:26盗塁/103試合
18年:20盗塁/78試合
19年:27盗塁/107試合
※盗塁数/出場試合数
※2019年8月22日現在

取材・文=岩下雄太
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