第二のバーランダー!? タイガースのケーシー・マイズ

◆ 記録的なシーズンに

 メジャーリーグは現地時間29日(日本時間30日)にレギュラーシーズンが一斉に終了する。ポストシーズンに進む10チームはすでに確定しているが、唯一、ナ・リーグ中地区の優勝チームが決まっていない。

 1試合を残し、カージナルスが90勝71敗、ブリュワーズは89勝72敗。最終日にブリュワーズが勝って、カージナルスが敗れれば、30日にワンゲームプレーオフが開催される。その試合の勝者は、地区優勝に輝き、敗者はナショナルズとのワイルドカードゲームに回ることになる。

 今季は最後まで混戦となったナ・リーグ中地区を除くと、早くに優勝が決まった地区が多かった。順位表を見ても、上位チームと下位チームの戦力格差が大きかったことがわかる。

 ア・リーグでは、ヤンキース、ツインズ、アストロズの3チーム、ナ・リーグでもドジャースの合計4チームが100勝を超えた。過去に3チームが100勝を超えたシーズンは何度かあったが、4チームは史上初だという。

◆ 見事なV字回復

 一方で借金をため込むチームも多かった。ア・リーグのオリオールズ、ロイヤルズ、タイガース、そしてナ・リーグのマーリンズの合計4チームが100敗シーズンを過ごすこととなった。

 なかでも酷かったのがタイガース。最終戦を残し47勝113敗で勝率は「.294」。最終戦に勝っても勝率は「.298」にしかならず、勝率3割未満が確定している。

 シーズンが162試合制になった1961年以降(ナ・リーグは1962年以降)、勝率が3割に満たないのは、今季のタイガースを含めて僅かに4例。1962年のメッツはリーグ加入1年目ということもあり、40勝120敗(勝率.250)で借金80を背負う散々なシーズンだった。

 2例目は42年後の2003年。アラン・トラメル監督率いるタイガースが43勝119敗で勝率.265というシーズンを送った。シーズン総得失点差は「-332」で1962年のメッツ(-331)よりも悪かった。

 3例目は昨季のオリオールズで、47勝115敗の勝率.290。地区首位のレッドソックスから61ゲーム離されて断トツ最下位に終わった。

 今季のタイガースは2003年に続き、2度目の勝率3割未満という不名誉な称号を得たことになる。2003年のチームに比べると、まだ勝率は“まし”だが、前回は119敗シーズンを踏み台に、3年後の2006年にはワイルドカードからワールドシリーズ出場を果たしている。

 当時のタイガースが僅か3年で復活を果たしたカギとなったのが、2004年のドラフト1巡目(全体2位)で獲得したジャスティン・バーランダーの存在だった。

 バーランダーは、マイナーでわずか20試合の登板を経て、2005年にメジャーに昇格を果たすと、2006年に17勝9敗、防御率3.63の好成績を残し、新人王を獲得。19年ぶりのポストシーズン進出の立役者となった。

◆ 第二のバーランダーは?!

 当時低迷期を迎えていたタイガースは、バーランダー以外にも若手を積極的に起用。僅か3年でV字回復を果たした。たさらに2006年から14年の9シーズンで負け越したシーズンは1度だけ、2011年から地区4連覇という黄金期を築いた。

 今季、16年ぶりに勝率3割を切ったタイガースが、前回と同じように再建を果たすことはできるだろうか――。

 2018年ドラフト全体1位で指名したケーシー・マイズという大型右腕は高い評価を受けており、来季にもメジャー定着が期待されている。さらにタイガースは来年のドラフトでも全体1位指名権を持っており、スカウティングに加え、育成がうまくいけば、数年後に再び黄金時代を築く可能性は十分あるだろう。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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