ここ2年、CSで苦渋を味わっている西武 (C) Kyodo News

◆ 同じ場所で、同じ相手と争う西武

 プロ野球の2019年シーズンもいよいよ大詰め。9日からは日本シリーズ出場チームを決するクライマックスシリーズのファイナルステージが幕を開け、セ・リーグは優勝チームの巨人が快勝。アドバンテージを含めた対戦成績を2勝0敗とし、パ・リーグの方は1stステージを勝ち上がったソフトバンクが先勝。対戦成績を1勝1敗のタイに持ち込んだ。

 パ・リーグ連覇を成し遂げた西武だが、昨季はこのファイナルステージでソフトバンクに敗退。ホームで日本シリーズ進出を逃し、試合後のシーズン最終戦セレモニーで辻発彦監督が流した涙は、多くの西武ファンの記憶に刻み込まれていることだろう。

 「辻監督にうれし涙を」――。今年も日本シリーズ進出をかけた相手がソフトバンクに決まり、1年越しのリベンジなるか…というところが大きな注目を集めたが、今年も初戦は黒星スタート。嫌でも1年前の悪夢を思い出してしまいそうになるところだが、星のうえでは1勝1敗の五分。まだあわてるような時間じゃない、という考えもできる。

 そこで、今回は過去のCS・ファイナルステージにおける「シーズン1位チームが初戦に敗れたパターン」を抽出。勢いを失ってそのまま敗退してしまうのか、はたまたアドバンテージはなくなっても切り替えて盛り返すことができたのか。過去の傾向を振り返ってみた。

◆ 過去のCSファイナルで1位チームが初戦を落とした場合…
※2008年以降

▼ 2008年:巨人
●○△○(vs.中日)
【突破】

▼ 2009年:巨人
●○○○(vs.中日)
【突破】

▼ 2010年:ソフトバンク
●○○●●●(vs.ロッテ)
【敗退】

▼ 2012年:巨人
●●●○○○(vs.中日)
【突破】

▼ 2014年:巨人
●●●●(vs.阪神)
【敗退】

▼ 2015年:ヤクルト
●○○○(vs.巨人)
【突破】

▼ 2017年:ソフトバンク
●●○○○(vs.楽天)
【突破】

▼ 2018年:西武
●○●●●(vs.ソフトバンク)
【敗退】

▼ 通算
【突破】=5/8
【敗退】=3/8

◆ 初戦負けでも「突破」が優勢

 今回は「優勝チームに1勝のアドバンテージ」が付与されるようになった2008年以降で調査。過去11年・22の優勝チームのうち、初戦を落としたチームは8チーム。そのうち、過半数を超える5チームが日本シリーズに進出を果たしている。

 なかでも2012年の巨人は3連敗からスタートして先に王手をかけられながら、そこからの3連勝で劇的な勝ち上がり。最近では2017年にソフトバンクが楽天を相手に連敗スタートを切るも、3戦目からの3連勝でCSを突破。そのまま日本一まで登り詰めた。

 どうしてもCSとなると“短期決戦”という意識が強く、一戦必勝のムードが漂うために、ひとつの負けに対するショックが大きい。しかし、現在の状況を俯瞰してみると1勝1敗のタイ。視点を変えれば、「きょうからスタート」という見方もできる。

 また、今年の西武の場合、相手は“昨年敗れたソフトバンク“”――と思うとまた力が入りがちになるが、昨晩の負けは切り替えて、「きょうからシーズン2位のソフトバンクと本拠地で5連戦」と考えることができるかどうか。西武としてはこれを五分以上で乗り切れば、つまり負け越さなければ日本シリーズに進むことができるのだ。決して追い詰められたわけではない。

 今季のソフトバンクとの対戦成績は12勝13敗だが、本拠地・メットライフに限れば6勝5敗でひとつの勝ち越し。「短期決戦」「相手は因縁のソフトバンク」「アドバンテージがなくなった」などの要素を取り払い、目の前の一戦一戦を落ち着いて戦っていくこと。これこそが、黒星発進の優勝チームに求められることだと言えるのではないか。

文=尾崎直也

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