昨季を上回る成績
ロッテの育成・和田康士朗はプロ2年目の今季、ファームで103試合に出場して、打率.264、6本塁打、23打点、23盗塁と1年目を上回る結果を残した。
打撃面では、8月と9月は月間打率3割を超え、9月は21日のDeNA戦から25日のヤクルト戦にかけて5試合連続安打を放つなど、打率.346(26-9)をマークした。
今季は福浦和也選手兼任打撃コーチから打席内で猫背になってしまうことを指摘され、背筋をピンと伸ばした打撃フォームに矯正した。
「(打席内での球の)見え方が変わってきましたね。変化球の低めのボール球を見えるようになってきたかなと思います」と手応えをつかんだ。
9月は3本塁打
9月は、2試合連続本塁打を含む自己最多となる月間3本塁打を記録。シーズン終盤の打撃練習を見ていても、ライトスタンドに飛び込む打球が目立ち、パワーアップした印象だ。
和田は「詰まったり、先っぽでもスタンドに入ることが打撃練習で多くなりましたね」と話す。
その要因についても「福浦さんに言われている上半身だけでなく、下半身を使って打つということが、少しずつできているのかなと思います」と説明した。
足で存在感
武器である“足”でも、アピールした。盗塁数はイースタン・リーグ2位タイの23盗塁を記録。
これまでは、盗塁をする上でスタートを課題と話していた和田。スタートに関しては「前半に比べたら全然良くなってきていますね。前半よりも後半の方が、失敗がすくなかった。盗塁はかなり進歩しているのかなと思います」と好感触を得た。
走塁面では、1つでも先の塁を狙う姿勢を常に見せていた。3月2日の教育リーグ・巨人との二軍戦で、ワイルドピッチで二塁から一気にホームイン。4月29日に行われた日本製鉄鹿島との練習試合では、相手が前進守備を敷く中、松田進の二ゴロで三塁走者の和田は好スタートを切り、ホームに生還。
公式戦でも6月8日の巨人との二軍戦で、3-4の延長11回無死一塁から安田尚憲の打席中、ワイルドピッチで一塁から三塁へ進塁し、安田の犠飛で同点のホームを踏んだということもあった。
「シーズン中盤は代走が多かった。代走の役割として相手の守備陣にプレッシャーを与えないといけない。ひとつでも先の塁を盗むことが代走の役割だと思います」と話した。
攻走守で成長した1年となった和田が、目指すは支配下登録選手。「一番は盗塁の成功率をあげなければいけない。体重ももちろんそうですけど、一番は盗塁の技術をあげたい」。早ければ、今オフに支配下登録を勝ち取る可能性がある。背番号2桁となるため、しっかりとアピールしていきたい。
取材・文=岩下雄太