◆ 前半戦は好投
「納得がいかないというか、悔しい思いが大半を占めた1年間だったと思います」。
ロッテの二木康太は、プロ6年目の今季、7勝10敗、防御率4.41でシーズンを終えた。
開幕先発ローテーション入りを逃したが、開幕直後の4月6日のソフトバンク戦で今季初登板を果たすと、前半戦は先発した14試合全てで、5イニング以上投げた。特に5月10日のソフトバンク戦から5月31日の西武戦にかけて、4試合連続でクオリティ・スタートを達成した。
オールスター前は先発ローテーションの一角として期待された石川歩、涌井秀章、ボルシンガーの状態が上がらないなか、岩下大輝、種市篤暉とともに先発陣を引っ張った。
ただ本人のなかでは「数字を見ればわかると思うんですけど、前半はオールスターにも出させてもらいましたが、自分のなかでもめちゃくちゃいいというわけではなくという感じだった」と振り返る。
◆ 後半戦は失速
クライマックス・シリーズ出場、リーグ優勝に向けて大事な後半戦。
「後半は特に失速してしまいすごく打たれてしまった」。
オールスター明けも、前半戦のような活躍が期待されたが、苦しい投球が続いた。後半戦2度目の登板となった7月26日の楽天戦は7回を1失点に抑えたが、続く8月2日の楽天戦から3試合連続で5点以上を失った。
そして、今季最後の登板となった9月24日の西武戦は、クライマックス・シリーズ進出に向けて絶対に負けられない大事な一戦となったが、1回2/3を投げて5失点と役割を果たすことができなかった。
「最初から全力でと思って、厳しいところを狙いすぎて四球だったり死球があった。ランナーをためてしまったら、ああいう打線にはやられるというか、相手も優勝かかっている試合で、純粋に自分の力が足りなかった。相手打線の方が上だったのを痛感させられたような試合でした」。
後半戦はなぜ失速をしてしまい打たれてしまったのか−−。
前半戦終了時に二木は「去年まではメンタルというか、うまく切り替えられずにゲームを壊してしまうことが多かった。しょうがないところはしょうがないと、うまく割り切って投げられているのかなと思います」と話していた。後半戦は割り切って投げることができていなかったのかと問うと、「メンタル、考え方でやられたと思っていないです」と返ってきた。
「技術のところで後半は、すごく苦労したイメージです」。
技術面で苦戦したことを明かし、特に「(後半戦は)まっすぐが簡単に弾き返されてしまった。それが一番大きいかなと思います」と自己分析した。それを踏まえてオフは「まっすぐを強くしていかないといけないと思います」と“真っ直ぐ”の強化を掲げた。
期待の若手と言われた二木も来年でプロ7年目。「しっかりと課題と目標を持って取り組んでいきたいです」。来年こそはシーズン通して、先発ローテーションを守り、チームに多くの勝ち星をもたらして欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太