ロッテの鈴木大地が28日、今季取得した国内FA権を行使すると発表した。
昨季まで三塁の不動のレギュラーだった鈴木だが、今季は日本ハム時代の16年に本塁打王に輝いたレアードが加入し、将来の4番候補でもある安田尚憲との競争を強いられることになった。
「これから先どうなるか分からないですけど、今年がターニングポイントだったと思えるように、逆に勝負の年とかだけじゃなくて、ここから1つ伸びたといえる年にしようと思っています」。
春季キャンプ中にこのように話した鈴木は、開幕こそベンチスタートだったが、一塁・井上晴哉が打撃不振で二軍落ちすると、レギュラーのポジションを奪った。鈴木は一塁だけでなく、二塁、三塁、ときには外野を守りチームに貢献。打率.288、15本塁打、68打点はいずれもキャリアハイの成績だった。
この1年を終えて、改めてターニングポイント、1つ伸びるようなシーズンになったのか問うと鈴木は「自分自身、毎年特別なんですけど、今年は今年で特別な1年を過ごさせていただいたなと思っています。ポジションのこともそうですけど、複数のポジションを守ったからFAしたということではないです。今年1年新しいことをやらせていただいて、自分なりにすごく勉強をさせてもらったと思っています」と振り返った。
続けて鈴木は「今までの8年間を含めて、FA権を初めて手にしてこんなに悩むものなんだなという思いもあります。今まで携わってもらった監督、コーチ、選手の支えがあって手にできた権利。だからこそ中途半端な決断はしたくない。イチ野球選手として、自分がどうなのかという興味があるのは事実なことなので、質問とずれてしまったんですけど、自分なりにいい1年が過ごせたと思っています。ここから自分が30歳になって、何歳までプレーできるかわからない。悩みすぎて苦しいですが、せっかく手にできた権利。しっかりと最後まで考えて決断を出したいと思います」と胸の内を明かした。
鈴木は2011年ドラフト3位で東洋大からロッテに入団。2年目の13年にレギュラーを掴むと、14年からは4年間チームキャプテンを務めた。
取材・文=岩下雄太