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「派手さはないが的確な補強」に定評…ヤクルトのFA補強を振り返る

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高津新監督の下、生まれ変わろうとしているヤクルト

最下位からの逆襲へ虎視眈々…


 前年の快進撃から一転、今季は最下位に沈んだヤクルト。9月末にシーズンが終了すると、そこから小川淳司監督を筆頭に、宮本慎也ヘッドコーチら首脳陣の退団が相次いで発表された。

 新指揮官には、かつての守護神・高津臣吾氏が就任。来季に向けた体制づくりが急ピッチで進められていくなか、先日行われたドラフト会議では、3球団が競合した夏の甲子園準V右腕・奥川恭伸(星稜)の交渉権を見事に獲得。高津新監督が大仕事をやってのけ、まずひとつ将来に向けた明るい希望の光が差し込んだ。

 日本シリーズも終わり、いよいよ本格的に幕を開けたストーブリーグ。やはり“来季の逆襲”という点で見ると、重要になってくるのがFA選手の補強だろう。ドラフトで指名した選手も即戦力となってくれる可能性はあるが、まだ未知数な部分が多い。やはり即効性という部分では、一線で戦ってきた男の力が欲しいところだ。

 すでに権利の行使を表明している選手も出てきたなか、ヤクルトはFA補強に意欲的な姿勢をほのめかしている。昨年の丸佳浩(広島→巨人)や浅村栄斗(西武→楽天)のような、いわゆる“超大物”候補は不在と言われる今秋だが、弱点の解決に一役買ってくれそうなおもしろい選手は多い。


2008年、はじめてのFA参戦


 ヤクルトと言えば、FA戦線においてかつては「引き抜かれる側」という印象がどうしても強かったものの、近年は補強に乗り出す姿勢も見えている。

 記念すべき球団最初のFA補強となったのが、2008年オフに横浜から獲得した捕手の相川亮二。古田敦也の後釜不在問題で苦しんだチームがはじめてFA戦線に突撃して獲得した男は、移籍1年目からレギュラーとして奮闘。2009年シーズンは71勝72敗1分と惜しくも勝率5割には届かなかったが、前年の5位から3位へと前進してクライマックスシリーズ進出を果たした。

 さらに2009年オフには、阪神から藤本敦士を獲得している。不動の遊撃手だった宮本慎也が三塁に回り、後任には川端慎吾や川島慶三といったところが期待されていたものの、どちらも故障が多くレギュラー定着とはならず。そんなこともあって、その穴を埋める役割として2年連続でFA戦線に参戦した。迎えた2010年は順位こそ前年の3位から4位に下がったものの、成績的には72勝68敗4分とシーズン勝ち越し。勝率では前年を上回る結果を残している。


的確な補強で前進


 その後、2014年のオフには初めて2人同時の補強にも成功している。パ・リーグから、先発左腕の成瀬善久と内野手の大引啓次がチームに加入。経験豊富な2人をチームに招き入れた。

 成瀬は思うような成績を残すことができなかったものの、大引は遊撃のレギュラーとしてはもちろん、チームリーダーとしても奮闘。故障もあって96試合の出場に留まったが、2015年のリーグ制覇に大きく貢献した。


 こうして振り返ってみると、どちらかというと“目玉”というタイプより、語弊を恐れずに言えば“地味”な選手を確実に射止めて戦力にしている印象が強い。超大物の獲得はないが、BランクないしCランクの選手たちをピンポイントで補強。着実に弱点を埋めた結果、補強の翌年は必ず前年よりも高い勝率で終えている。

 上述したように、今年は“超大物”が不在と言われるFA市場。こんな時こそ注目なのが、ヤクルトの動向だ。5年ぶりのFA補強は実現するのか、生まれ変わろうとしている高津スワローズから目が離せない。

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