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FA権を行使した ロッテ・鈴木大地が持つ3つの魅力

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国内FA権を行使したロッテ・鈴木大地

「安定感」「万能性」「リーダーシップ」


 11月に入ってFA宣言した選手との交渉が解禁となり、ストーブリーグが本格的に動き始めた。FA組に先立って、筒香嘉智(DeNA)がポスティング制度によるMLB移籍を正式に表明すると、秋山翔吾(西武)も海外FA権を行使してMLB挑戦を決断した。

 国内に目を向けると、福田秀平(ソフトバンク)、美馬学(楽天)そして鈴木大地(ロッテ)の3人が、残留も視野に入れたうえで国内FA権を行使。今のところ、福田や美馬に関心を示している球団が多いものの、実績だけで見たら鈴木は興味をそそる選手だろう。

 プロ2年目となる2013年シーズンから2019年シーズンまでほぼ全試合に出場し、7年連続で規定打席に到達。打率3割を残すような選手ではないものの、毎年2割6分から2割9分のあいだで安定した成績を残しているし、その数字以上に好機で勝負強さを発揮している印象が強い。

 また、セカンドとサードに加えて、今季は主にファーストとしてスタメン出場し、交流戦の期間などはレフトに入ることもあった。3番(一塁手)から7番(左翼手)までをこなす、ハイレベルなユーティリティープレーヤーと言っていい。ベストナインにも過去2度選ばれ、二塁手のポジションでゴールデングラブも受賞した。

 また、それ以上に評価されているのが、鈴木の持つリーダーシップだ。鈴木は2014年シーズンから2017年シーズンまでキャプテンを務め、チームをまとめ上げてきた。2018年シーズンからは、チームとしてキャプテン制を敷かなくなったことで肩書きこそ外れたものの、変わらずナインを鼓舞し続けている。

 鈴木は、プロ入り前の東洋大学時代も、そして大学日本代表でもキャプテンを務めていた。当時、東洋大を率いていた高橋昭雄監督からも、「長い東洋大の歴史のなかでも最高のキャプテン」と称されていたほど、そのリーダーシップは折り紙付きだ。


巨人と楽天が獲得へ


 その「安定感」と「万能性」、さらには「リーダーシップ」を兼ね備えた鈴木には、巨人、中日、楽天の3球団が調査をしているとのことだったが、中日が福田の獲得に注力するために交渉を凍結しているとの報道。現時点では、巨人と楽天の2球団が交渉の席に着いている。

 巨人はリーグ優勝したものの、内野陣を見ると長年の課題である二塁手が埋まっていない。2016年ドラフト1位の吉川尚輝が期待されてはいるが、腰痛の影響で2019年シーズンは開幕早々にリタイア。シーズン終盤に二軍戦で復帰したものの、腰への負担を考慮して二塁ではなく外野の守備についた。2020年シーズンもどのように起用されるかは不透明な状況だ。

 また、吉川尚の離脱を受けて二塁手での先発起用が多かった若林、田中俊にしても、巡ってきたチャンスをものにしたとは言い難い。鈴木が加わればまさにピンポイントの補強であり、状況によっては一塁手としても、三塁手としても起用可能と、様々な計算が立つ。

 そして楽天は、残留濃厚な三塁のウィーラーがピークを過ぎた感もある。今季は渡辺佳が台頭し、今秋のドラフトでは遊撃を守る小深田大翔(大阪ガス)を1位で指名しており、茂木栄五郎を三塁にコンバートすることも想定される。しかし、小深田は社会人出身の即戦力候補とはいえ、通用するかは蓋を開けてみなければわからない。

 一方、実績のある鈴木であれば十分に計算が立つだろう。また、これまでチームをまとめあげてきた嶋基宏が退団したこともあり、新たなリーダーとしての期待もかかる。石井一久GMも、鈴木の人間性に加え、毎年のようにポジション争いを強いられながら、自らの力でポジションを勝ち取ってきた姿を評価しているとのこと。若手が多くなってきたチームの中で、鈴木の持つリーダーシップは魅力的なはずだ。

 当の鈴木は、「移籍が前提ではない」とコメントしており、ロッテも宣言残留を認めている。とはいえ、レアードの残留が発表され、ファームでは安田尚憲が本塁打と打点の2冠王を獲得するなど、3年目の飛躍に向けて牙を研いでる。どの道を選択しても同じかもしれあいが、残留しても安泰ではない。

 来る2020年シーズン、鈴木はどの球団のユニフォームを着ているのか――。当面はFA戦線から目が離せない日々が続くことになりそうだ。
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