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カギ握る岸の起用法…侍ジャパン・1次ラウンドふりかえり~投手編~

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体調不良で調整が遅れていた岸孝之も復活

好スタートを切った侍ジャパン


 11月3日に開幕した『第2回 WBSCプレミア12』も、あっという間にオープニングラウンドの戦いが終了。グループAからはメキシコとアメリカ、グループBは日本とチャイニーズ・タイペイ、グループCは韓国とオーストラリアが勝ち抜けを決め、決戦の地である日本に乗り込んでくる。

 11日(月)からはじまるスーパーラウンドは、この6チームによる総当たり戦。ただし、同組ですでに対戦しているチームとの再戦はなく、その間の当該成績はオープニングラウンドの結果をそのまま持ち越し。そのため、メキシコ・日本・韓国の3チームは1勝0敗から、アメリカとチャイニーズ・タイペイ、オーストラリアは0勝1敗からのスタートということになる。

 そのうえで各国が計4試合を戦い、成績上位2チームが決勝戦へと進出。3番目・4番目のチームは3位決定戦へと回るという仕組み。日本はオーストラリアからはじまってアメリカ、メキシコ、最後に韓国という4試合を経て、決勝進出を目指していく。


 今回はスーパーラウンドの開幕を前に、日本のここまでを振り返るべく、各選手の成績や起用法に注目。オープニングラウンド3試合の戦い方から見えた選手たちの役割や、このあとのカギとなりそうな要素を探してみた。


先発は3枚のままでも可能…?


 オープニングラウンドの3試合では、山口俊→高橋礼→今永昇太という順番になった先発陣。まずひとつスーパーラウンドで注目されるのが、「先発を増やすかどうか」である。

 上述した通り、スーパーラウンドは4試合の戦いになるものの、日本の日程を見ると11日(月)・12日(火)・13日(水)と3連戦の後、2日空けて16日(土)という流れになっている。初戦から第4戦までは中4日の空白があるため、先発を長く引っ張らずに戦えば、オープニングラウンドと同じ3枚で乗り切るということも充分に可能となるのだ。

 オープニングラウンドの戦いを振り返ってみても、第2戦の高橋礼は球数の少なさもあって6回まで投げたものの、初戦の山口俊は4回まで、第3戦の今永は3回までで降板している。当然その時の状況によるとはいえ、負けられない戦いが続く国際大会となると継投も早めになりがち。となれば、山岡泰輔や大野雄大といった“第2先発”的な役割で控える投手を上手く使いつつ、先発は基本3枚で…という考えもなくはない。


 また、先発の起用というところでもうひとつカギを握るのが、岸孝之の存在。大会直前の体調不良もあって調整が遅れていた右腕だが、どうにかオープニングラウンドのうちに復調。第3戦のチャイニーズ・タイペイ戦では1イニングだったが実戦で投げることもでき、これにより「ぶっつけでスーパーラウンド」という事態は回避できた。

 もとはこのチームのエース候補として期待された男であり、スーパーラウンドから満を持して先発陣に加わるということも大いに考えられる。岸が手札に加われば、スーパーラウンドから先発を4人にすることもでき、あるいは“初見殺し”として外国勢に立ちはだかる高橋礼をリリーフに回して切り札的な起用をしていくなど、様々なオプションが浮上してくる。日本にとって大きなプラスとなるのは間違いない。

 まずは初戦、稲葉篤紀監督は誰に先発マウンドを託すのか。大きな注目ポイントになる。


【先発・今大会の成績】

18 山口 俊
1試合(4.0)回 0勝0敗 防御率2.25
被安打5 被本塁打0 奪三振6
与四死2(死球0) 失点1 自責点1

21 今永昇太
1試合(3.0)回 0勝0敗 防御率0.00
被安打4 被本塁打0 奪三振4
与四死0(死球0) 失点0 自責点0

28 高橋 礼
1試合(6.0)回 1勝0敗 防御率0.00
被安打1 被本塁打0 奪三振3
与四死1(死球0) 失点0 自責点0


いかにして8回に入るか


 リリーフでは、山崎康晃は抑えで固定。その前を担うのが山本由伸で、この8回~9回という方程式は堅いとみる。それ以外では、甲斐野央が持ち前の剛速球と落ちるボールを武器に圧巻の投球を披露。好調ぶりをアピールしている。

 上でも少し触れたが、先発投手が早めに降板することになると、ロングも行ける山岡泰輔や大野雄大といったところがいわゆる“第2先発”的なポジションでスタンバイ。その後は相手の打順を見ながら、左が多ければ中川皓太、ピンチで左打者を迎える時には変則の嘉弥真新也。また、ゴロを打たせたい場面では動くボールが持ち味の大竹寛、三振が欲しい場面では甲斐野というような、臨機応変な対応で8回までを繋いでいくことになりそうだ。


 あとは上とも少し被る話になるが、岸を先発に加えるかどうか。先発は3枚で回すということなら岸が“第2先発”になるか、もしくは岸と入れ替わりで高橋礼がそのポジションに加わることも考えられる。ともかく、その場の状況に合わせた適材適所の起用というのは必須で、指揮官はもちろん、投手コーチの腕の見せ所となるだろう。


【リリーフ・今大会の成績】

11 岸 孝之
1試合(1.0)回 0勝0敗 防御率0.00
被安打0 被本塁打0 奪三振0
与四死0(死球0) 失点0 自責点0

13 山岡泰輔
2試合(2.1)回 0勝0敗 防御率11.57
被安打4 被本塁打0 奪三振1
与四死0(死球0) 失点3 自責点3

17 大竹 寛
2試合(1.0)回 0勝0敗 防御率0.00
被安打1 被本塁打0 奪三振1
与四死0(死球0) 失点0 自責点0

19 山﨑康晃
2試合(2.0)回 0勝0敗 防御率0.00
被安打1 被本塁打0 奪三振2
与四死0(死球0) 失点0 自責点0

20 甲斐野央
2試合(2.0)回 1勝0敗 防御率0.00
被安打0 被本塁打0 奪三振3
与四死0(死球0) 失点0 自責点0

22 大野雄大
1試合(2.0)回 1勝0敗 防御率0.00
被安打4 被本塁打0 奪三振3
与四死0(死球0) 失点0 自責点0

43 山本由伸
2試合(2.0)回 0勝0敗 防御率4.50
被安打3 被本塁打0 奪三振1
与四死0(死球0) 失点1 自責点1

47 中川皓太
1試合(1.1)回 0勝0敗 防御率0.00
被安打2 被本塁打0 奪三振1
与四死0(死球0) 失点0 自責点0

57 嘉弥真新也
1試合(0.1)回 0勝0敗 防御率0.00
被安打0 被本塁打0 奪三振0
与四死0(死球0) 失点0 自責点0

90 田口麗斗
登板なし



文=尾崎直也
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