2年で育成落ちも平石監督の助言で飛躍
楽天の石橋良太投手(28)が20日、仙台市内の球団事務所で契約更改に臨み、1900万円増となる2600万円(金額は推定)でサインした。
ロッテとの3位争いを制し、2年ぶりとなるクライマックスシリーズ進出を果たした2019年の楽天。攻撃面では浅村栄斗、ジャバリ・ブラッシュの新加入コンビが打線をけん引。投手陣では昨季まで未勝利だった石橋の飛躍が光った。
石橋は明徳義塾高、拓殖大、ホンダを経て2015年ドラフト5位で楽天入り。背番号「28」を託され即戦力として期待されたが、ルーキーイヤーの16年は6試合の登板にとどまり、一軍登板のなかった17年オフに戦力外通告を受けた。18年は育成契約で再スタート。二軍で結果を残し、同年7月に支配下登録復帰を果たした。
飛躍をアシストしたのが、二軍監督時代から右腕を見続けてきた平石監督だった。指揮官は石橋の武器にシュートを挙げ、春季キャンプ時から「シュートを自分のものにしろ」とハッパをかけていた。
則本昂&岸不在のなか、救世主的な働き
オープン戦で防御率1.69をマークし、リリーフとして開幕一軍入り。ロッテとの開幕戦(ZOZOマリン)で2点リードの6回に登板したが、レアードに逆転3ランを浴びプロ初黒星を喫した。ショックの残る3年ぶりの一軍登板。しかし、リベンジの機会はすぐに訪れた。開幕3戦目に再びロッテ打線と対峙し、2回2/3を無失点。今度はプロ初勝利を手にし「やり返せて良かった」と笑顔を見せた。
5月からは則本昂大、岸孝之の不在もあり、先発ローテーション入り。カーブ、カットボール、フォークが軸だった変化球にシュートが加わったことで、投球の幅が広がった。先発初勝利は5回1失点だった5月26日のオリックス戦(楽天生命パーク)。6月以降もローテを守り続け、29登板(19先発)で8勝7敗、防御率3.82を記録。序盤のリリーフ登板があり規定投球回には届かなかったが、チームでただひとり規定回をクリアした美馬学(143回2/3)に次ぐ、127回1/3を消化した。
その美馬は、ロッテへのFA移籍が決定的。背番号が「94」から「60」に変わる来季は、開幕からのローテーション入りが期待される。さらに、飛躍をアシストしてくれた平石監督は、ソフトバンクの一軍打撃兼野手総合コーチに就任。石橋は今季、ソフトバンク戦での白星こそなかったものの、対戦防御率は2.57と好投。来季は恩師加わった鷹打線との対戦にも注目したい。